70歳を過ぎて 待ち受けていたのは、穏やかな第二の人生ではなく、想像だにしなかった経済的困難!「慎ましい生活を送っていたはずなのに、なぜかお金がみるみる消えていく…」
食費、光熱費を切り詰めても、なぜこんな事態に? “老後破産”は、決して一部の人だけの話ではありません。あなたにも起こりうる現実として、今、多くの人々がその現実と向き合っています。
では、どうすれば防げるのか? 事例と共に紐解いていきましょう。
現在70歳前後の方の 親の代の多くは、80歳前に亡くなっています。それを見て 自分もせいぜい70代前半まで生きられればいいと思っている人が 結構多いようです。
自分が高齢になって初めて、医療費や食費など 現役時代は気にならなかった 小さな負担が積み重なり、じわじわと家計を圧迫していく。
これも70代からの貧乏によくあるパターンです。このままでは家計が厳しくなると、人生の終盤になって気づくのです。今 多くの高齢者が 様々な想定外で 苦しんでいます。
一般的に高齢者の方は 現役時代のように働くことができないので、家計の変化には細心の注意を払うべきですが、老後破産に陥る様々な原因を知っておくことも破産を免れることができるので解説していきましょう。
厚生労働省の「2022年国民生活基礎調査」によると結果は想像以上のものでした。65歳以上の高齢者世帯全体の貧困率は約20%です。
つまり4人1人が貧困だというのです。
特に、1人暮らし・独居の高齢者の場合、本当に驚くべきですが、その割合はさらに高くなり、1人暮らしの男性 65歳以上の貧困率は 30%、1人暮らしの女性65歳以上の貧困率は44%に達しています。
これは、単身高齢女性の約半数が貧困状態にあることを示しています。
貧困とは 生活に必要な基本的資源やサービスが不足し、最低限の生活水準を維持できない状態を指します。考えるだけで恐ろしいですよね。年齢とともに体力や気力は衰え、若い頃のように働くことも難しくなります。少し前に「死ぬまで働く」という言葉が時代を反映してるな、豊な日本ではなくなってしまったな・・・と思ったことありましたが、今や 健康や環境の制約で それすら叶わない場合もある状況の方が増えています。
意外なことなのは、長年 、真面目に会社勤めをし 慎ましく生活してきた中堅層の方々でも、老後に貧困に陥るケースが増えています。では、どうすればこの状況を避けられるのでしょうか?具体的な事例と教訓・対策を解説していきましょう。
老後破綻 予期せぬ出来事
退職後は穏やかな生活を送るはずだった──
60歳、Aさんは長年勤めた会社を退職し、夫婦二人で質素ながらも心穏やかに暮らすつもりでした。貯金は1500万円以上、自宅のローンも完済済み。未来は安泰だと思っていました。しかし、それは甘い考えだったと気付くのは、想定外の事態が次々と押し寄せた後のことです。
地元を離れた娘が離婚し、2人の子どもを連れて戻ってきた。パートで働くも、孫が不登校になり、生活費を稼ぐ手立てがなくなり、家計の負担は一気に膨らみ、娘と孫2人の生活費の面倒もみることになった。築30年の自宅は老朽化し、修繕のための費用も捻出できない。節約できるところはする、とことん切り詰めた生活を余儀なくされる、まさか こんなことになると思っていなかったというのです。
振り返れば、あと数年働いていれば、もう少し違った未来があったかもしれない…退職後の安泰を信じることは、もはや贅沢な幻想にすぎなかったと おっしゃっていました。
教訓
老後の安定は、退職後の計画だけではなく、予期せぬ出来事への備えが大切です。
家族、家計、そして健康──なんとかなるだろう・・という甘い考えは捨てましょう。「何があっても大丈夫」と思える準備こそが、真の安心を生むものです。
老後破綻 投資詐欺「ポンジ・スキーム」
投資詐欺によって消えた「明るいセカンドライフ」
Bさんはサービス業で長年勤め上げた65歳の男性です。彼は年金として240万円(月20万円)の収入を得ることができ、退職金と株の利益で 退職時には5,000万円の資産がありました。そのため、第二の人生 セカンドライフに不安はなく、奥様や娘さんと いままで行けなかった旅行を定期的に計画するなど明るい未来を考え、胸をときめかせていました。
しかし、Bさんは知らぬ間に 投資詐欺に巻き込まれてしまうことに・・・
Bさんは、ある日、友人から紹介された投資会社のセミナーに参加したことがきっかけで、自分の資産をいま以上に増やせれば、もっと海外旅行に行けるようになり 家族も喜んでくれると考えたのです。
高利回りを謳うその投資会社の説明は、「AI技術を使うことで少額の利益を積み重ねる売買システムがあり、そこから月利5~20%の配当が得られる」というものでした。Bさんは、最新の 技術の進歩に興奮を覚えつつも、魅力的な投資案件に1,000万円分の投資をし、一時的に30%の利益を得ていたため 信頼してしまい、さらに利益を得るために最終的には3,000万円を投入しました。やがて配当が滞り、慌ててCさんはその会社に連絡したが 連絡が取れなくなり、担当者も姿を消してしまい 会社も消えてしまいました。 受け入れることも出来なかったですが、自分の投資先が詐欺であったことに気づき、40年以上も勤め得た自身の退職金が一瞬に失われたことを実感しました。
Bさんのように一回騙されてしまうと 取り返しのつかないことになります。
教訓
①高い利回りや元本保証されている・利益が確約されているような場合の投資話には注意が必要です。それが現実的かどうかを疑うべきです。
②投資家や投資機関のバックグラウンドや信頼性を確認しましょう。適切なライセンスや認可を持っているかどうかを確認してください。
③定期的な報告や透明性がある投資を選んでみましょう。投資家とのコミュニケーションや資産の運用状況についての 情報を入手することが大切です。
④無理な投資をしないで、あなた自身のリスク許容度を考慮して 投資を行いましょう。
⑤ 利益を受け取る前に新たな出資を要求される・追加の出資を求めらるような場合は、詐欺の可能性がより高いです。
⑥紹介者自身も実は 騙すつもりはなく、本当によい投資だと思って紹介している場合も多くあります。 信頼している友人の紹介だからと言って 鵜呑みにすることなく、自身の資産を守るために 必要最低限の慎重さと知識の習得がとても重要となります。
万が一、被害に遭った場合は、速やかに警察や金融庁の認可を取っている金融機関に相談しましょう。
老後破綻 サービス付き高齢者向け住宅
皆さん、家族に迷惑をかけたくないと考え、老人ホームへの入居を検討する方も多いと思います。しかし、そこには思わぬ落とし穴が潜んでいます。
例えば、あるサービス付き高齢者向け住宅に入居した夫のCさんは、当初は要介護1で自立した生活を送っていました。しかし、脳梗塞を患い 要介護5となり、全介助が必要な状態になりました。すると、施設から毎月の費用がプラス22万円も追加されると告げられました。これは当初の倍の金額で、家計を圧迫する大きな負担となります。様々なところに相談しましたが解決につながるものはなかったのと、あまり親身になってもらえなかった感じを受け、最終的には特別養護老人 ホームの入所待ちをしながら、 サービス付き高齢者向け住宅を退去し、妻が自宅でみる在宅介護をすることにしたそうです。
夫は認知症もすすみ、妻の献身的なお世話を時には嫌がり、妻に手で払うなど暴力をするようになったり、夜中、妻を呼んで何度も起こし、眠れない日々がつづき 夫が長生きすることが妻の苦しみになってしまうという事態に陥ってしまったというのです。
70歳を過ぎると、予期せぬ困難が次々と襲ってくるのです。
「何とかなるだろう」と楽観的に考えていても、予想外の出来事が待ち受けています。
まとめ
皆さん、家族に迷惑をかけたくないと考え、老人ホームへの入居を検討する方も多いと思います。しかし、人生の最期に自分の身を守るのは・・・自分です。
今からでも遅いということはありません。
将来の年金の受給額がいくらになるかを把握したり、可能であれば、定年後も働き続けることで収入を得る手段を検討したり、この動画を機会に 腰を据えて いくつか老後のシナリオを 描いてみるのもいいかもしれません。
アナタの幸せなセカンドライフに 少しでもお役にたてれば幸いです。