お葬式に参列する際、何を持って行きますか?
カバンは小さくコンパクトなものが多く、入れるものが限られてしまうこともあると思います。
また中にはカバンを持たず、必要最小限のものをジャケットやパンツのポケットに入れて参列される方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
その際、香典袋をそのままカバンやポケットに入れてしまってはいませんか?
実は直接入れるのは好ましくなく、袱紗に入れて持ち歩くことがマナーとされています。
今回はそんな袱紗についてご紹介いたします。
香典ってどうして必要なの?
「他の人も渡しているから、自分も香典を渡す」というように
香典が何を意味しているのか分からないけどとりあえず渡している方、いらっしゃいませんか?
お香典とは、かつては故人様に向けて、線香やお花などを手向けていましたが、
次第に金銭に変わり、故人様に贈られるようになったものを指します。
また、費用のかかるお葬式を執り行うご家族に対して、
少しでも助けになれば、という意味合いも強く含まれております。
袱紗って何?
袱紗とは、お香典が入った金封を汚さずに持参するための風呂敷のようなものを指します。
お葬式だけではなく、結婚式などのお祝い事でご祝儀を持って行く際にも袱紗を使います。
お香典は故人様に手向けるものですので、できるだけ綺麗なまま持参したいとお思いの方も
多いのではないでしょうか。
袱紗を使うことで汚れや折れを防ぐことができるため、
「お香典を大切に扱っている」という意思表示にもなります。
袱紗の種類
袱紗には大きく3つの種類があります。以下にその種類とそれぞれの使い方をご紹介いたします。
誰でも使いやすい【金封袱紗】
最近では若い世代を中心に主流になってきた金封袱紗は、
ポケットに金封を挟み、二つ折りにして持ち歩くものです。
難しい手順がなく、また形が崩れる心配が少ないため、
袱紗や風呂敷を使ったことがない方を含めどなたでも使いやすいタイプです。
また金封袱紗には【右開き】のものと【左開き】のものがあります。
お葬式などの弔事では、左開きのものを使用します。
袱紗を開き、お香典の表書きが見えるようにポケットに挟みます。
この時、水引が崩れないよう気をつけましょう。
またご葬儀に持って行く時は、受付係にお香典を渡す際に初めて取り出します。
しっかり留められる【爪付き袱紗】
爪付き袱紗はその名の通り、袱紗の脇に爪がついているものを指します。
袱紗でお香典を包んだあと、持ち運び中にも崩れる心配がない点が特徴です。
また、金封袱紗と同様、弔事・慶事のどちらでも使うことができますが、
右開き・左開きで使うシーンが異なります。
使い方は、以下の画像を参考になさってください。
硬さが出て折れにくい【台付き袱紗】
最後にご紹介するのは、台付き袱紗です。
台付き袱紗は、金封と同じようなサイズの台が包みの中にあり、
その台に乗せて包むタイプの袱紗です。
中には、爪が付いた台付き袱紗もあります。
台があることで硬さが出るため、包みやすく、
また金封が崩れにくくなるといったメリットがあります。
袱紗の選び方
袱紗には3つのタイプがあるとお伝えしましたが、
さらに袱紗にはさまざまな色のものがあります。
黒や紺だけでなく、赤やピンクといった明るい色まで豊富にありますが、
ご葬儀などの弔事で使用する場合は、黒やグレー、紺などの寒色で
できるだけ刺繍や模様のついていないシンプルなもの選びましょう。
反対にお祝い事で使用する場合は、赤やピンク、オレンジといった華やかなものがおすすめです。
初めて袱紗を購入される方の中には、弔事・慶事問わずどちらでも使用できるものを
お探しの方もいらっしゃると思います。
そのような方には、紫や藤色の袱紗がおすすめです。
紫は古来より、高貴な色として扱われてきました。
ですので、相手に対し最大限の礼節を尽くすという意味で
冠婚葬祭問わず使用できるようです。
はじめに購入する袱紗はシンプルな紫色のものが良いでしょう。
また、袱紗に使用されている布の素材によって、価格に大きな差があります。
最も手軽なところでは、100円ショップでも手に入りますし、
インターネットでも1,000円台から袱紗を購入することができます。
これらはポリエステルなどの化学繊維でできているものがほとんどです。
反対に絹でできたものは10,000円以上超えるものもあり、
同じ袱紗でも大きく価格が異なります。
触り心地などの違いは、並べてみると分かると思いますが、
実際に袱紗を人前に出すのはほんの数十秒ですので
安価なものでも、お気に入りの高級なものでもどちらでも問題ありません。
大切なのは、金封を剥き出しのまま持ち歩かないことです。
急に必要になった時はどうするの?
お葬式は前々から予定がわかっているものではなく、
急に訃報が入り参列が決まります。
ですので、袱紗の購入が間に合わないこともあるのではないでしょうか。
そんな時はお手持ちのハンカチで代用することができます。
この時できるだけ寒色もしくは白のハンカチがベストです。
また、シンプルな風呂敷やスカーフなどでも代用することができます。
包み方は先程ご紹介した爪付き袱紗や台付き袱紗と同じです。
まとめ
今回は袱紗についてご紹介いたしました。
お葬式に参列する際、数珠を忘れずに持っていく方が多いと思いますが、
実は袱紗もマナーとしてなくてはならないアイテムです。
中にはまだ袱紗をお持ちでない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もしもに備えて、まずは紫色のシンプルな袱紗を購入してみてはいかがでしょうか。