神社での正しい参拝方法」について詳しくお伝えします。日本の伝統である神道には、厳かな参拝作法があり、それを知ることでより深い敬意をもって神様にお祈りを捧げることができます。
目 次
1. 鳥居をくぐる
2. 手水舎で清める
3. 社殿へ進む
4. 賽銭を納める
5. 鈴を鳴らす
6. 二礼二拍手一礼で参拝
7. 退出時のマナー
8. 神社参拝の心構え
9. おみくじや絵馬について
⒑まとめ
1. 鳥居をくぐる
神社に到着したら、まず目に入るのが「鳥居」です。鳥居は神域しんいきと俗世ぞくせの境界を示すもので、この鳥居をくぐることで、心を整え、神様にお参りする準備を始めます。
鳥居をくぐる前には、一礼をします。参道の**真ん中は「正中(せいちゅう)」**と呼ばれ、神様が通る道とされています。参拝者は参道の端を歩くのがマナーです。正中を避け、常に左右どちらかに寄って歩くようにします。特に人が多い場合でも、できるだけ真ん中を避けることを心がけます。
2. 手水舎で清める
次に向かうのが「手水舎(てみずや)」です。てみずのことをちょうずと呼ぶ方もいますが、誤りではありません。参拝前や神事に参列する際に、手と口を清めるための場所です。
参道の入り口付近に設置されることが多く、参拝をする前に心身ともに清らかな状態となるように清めます。
- まず右手で柄杓(ひしゃく)を持ち、水をくんで左手を洗います。
- 次に、柄杓を左手に持ち替えて右手を洗います。
- もう一度右手で柄杓を持ち、左手に水をためて口をすすぎます。このとき、直接柄杓に口をつけないように気を付けてください。
- 最後に、左手をもう一度洗い、柄杓を立てて柄の部分に水を流し、元の位置に戻します。
- コロナ禍の際に柄杓を無くしてしまった神社もあります。その際はその神社の作法が記載されていますので確認しましょう
手水舎での清めは、心を穏やかにし、神聖な気持ちでお参りするための大切な準備です。
3. 社殿へ進む
手水で清めた後、いよいよ社殿に向かいます。社殿は、神様がいらっしゃるとされる場所です。参道は、真ん中は避けて左右どちらかの端を歩きます。社殿前に立ったら、お賽銭箱に向かって一礼をしましょう。
4. 賽銭を納める
賽銭は神様への感謝や願いを込めて納めるもので、金額には特に決まりがありません。無理のない範囲で気持ちを込めて納めましょう。賽銭は投げるのではなく、静かに入れるのがポイントです。
5. 鈴を鳴らす
賽銭を納めた後は、大きな鈴が吊られています。
この鈴は「本坪鈴(ほんつぼすず)」ともいい、参拝者は、鈴に垂らされた麻縄や紅白・五色の布などを振り動かして鈴を鳴らします。鈴を鳴らす行為には、鈴の音は厄を祓い、神霊の発動を願うと言われています。
6. 二礼二拍手一礼で参拝
それでは、いよいよ「二礼二拍手一礼」で参拝します。二拝二拍手一拝とも呼ばれます。この作法は、神道における基本的な礼法です。
- 二礼
まず、腰を90度ほど曲げる深いお辞儀を二回行います。深いお辞儀を拝と言います。 手はズボンの折り目に沿って置きます。足は肩幅程度に開き、両手は自然に下ろし、ズボンのサイドにある折り目に合わせて軽く添えるのが正式な作法です。 - 二拍手
次に、二回手を打ちます。この拍手は神様と自分とのつながりを強く意識するためのものです。二回拍手をした後は、手を合わせたまま祈願を行います。心の中で願い事や感謝の気持ちを伝えます。その際、唱え言葉を言う場合は「祓(はら)え給(たま)い、清め給(たま)え、神(かむ)ながら守り給(たま)い、幸(さきわ)え給(たま)え」(お祓いください、お清めください、神さまのお力により、お守りください、幸せにしてください)を唱えます。 - 一礼
祈願が済んだら、最後にもう一度深くお辞儀をします。これで参拝は完了です。
この「二礼二拍手一礼」が、神道における基本的な参拝作法です。なお、三礼三拍手一礼は明治以前の日本では常識でした。
また、「出雲大社」「宇佐神宮」「熊野神社」では四拍手しはくしゅであり、「伊勢神宮」では八度拝八平手(はちどはいやひらて)のように例外があります。
三礼三拍手の意味は、神社に参るのを「参拝」というように、天地開闢テンチカイビャクの時に、最初に生まれたとされる三柱ミハシラの神々
「天御中主神(あめのみなか ぬしのかみ)」
「高皇産霊神(たかみむすび のかみ)」
「神皇産霊神(かみむすひ のかみ)」
を拝するので、「三(参)拝」と言われています。
このように神社によっては特別な作法がある場合もありますので、各神社のやり方に合わせて参拝を行って下さい。
7. 退出時のマナー
参拝を終えたら、社殿を後にします。境内を出る際も社殿の方に向き直って一礼をします。
8. 神社参拝の心構え
神社での参拝には決まった作法がありますが、最も大切なのは「敬意」をもって参拝することです。形式的に行うのではなく、心を込めて行うことが神様に届く祈りの基本です。また、願い事をすることも大切ですが、日々の感謝を神様に伝えることも忘れずに行いましょう。日々の平穏や家族の健康、周囲への感謝など、小さなことに感謝する気持ちが大切です。
9. おみくじや絵馬について
神社に来た際、参拝後に「おみくじ」を引いたり、「絵馬」に願い事を書くことも楽しみの一つです。ここで少しだけ注意点をご紹介します。
- おみくじは、運勢を見るだけでなく、自分へのアドバイスや戒めとして受け取ることが大切です。もし良くない結果が出ても、それを前向きに受け止めることが神道の教えです。境内に結ぶ場所がある場合は、そこに結んで帰りましょう。
- 絵馬に願い事を書く際は、実現したいことを具体的に書くと良いとされています。たとえば「合格できますように」よりも「志望校に合格し、充実した学生生活を送りたい」といった具合です。
⒑まとめ
神社での参拝方法についてお伝えしました。日本の伝統である神道には、古くから受け継がれてきた礼儀や作法があり、それを学ぶことでより深く神様に対する敬意を示すことができます。神社を訪れる際には、今回ご紹介したポイントをぜひ思い出してみてください。そして、何よりも大切なのは、神様への感謝と敬意を忘れずに持つことです。
今日の動画が皆さんのお役に立てれば幸いです。