【第1話】親が亡くなった直後にやるべきこと

喪主が最初に“絶対やってはいけないこと”

「親が亡くなった…」
その瞬間、時間が止まったように感じて、何をすればいいか分からなくなる。

長い介護や闘病の末だったとしても、実際にその時が来ると、
人は想像以上に冷静でいられません。

病院の医師から「ご臨終です」と告げられ、
看護師さんが優しく声をかけてくれる。
「葬儀社さんはもうお決まりですか?」

その一言で、突然“現実”が押し寄せてくるんです。

実は、ここでの判断が、今後の数日間の流れを大きく左右します。
今回は、喪主になった人が**最初の数時間で“焦ってはいけないこと”**をお話しします。

目 次

  1. 親が亡くなった直後に“焦ってはいけないこと”
  2. 病院からの案内は「紹介」であり「強制」ではない
  3. 最初にやるべき3つの行動
  4. 葬儀社を選ぶ時に確認しておきたい3つのポイント
  5. 病院搬送と安置先、冷静な判断のコツ
  6. まとめ──「流れで決めない」が後悔を防ぐ

1.親が亡くなった直後に“焦ってはいけないこと”

多くの方が直面する最初の分岐点――
それは、「どこの葬儀社にお願いするか」という決断です。

病院で亡くなると、多くの場合、医療スタッフがこう尋ねます。
「葬儀社さんはお決まりですか?」

これは、病院の業務として亡くなられた方を安全に搬送するために必要な確認です。
看護師さんが紹介してくださる葬儀社は、
トラブルを防ぐために一定の信頼基準で選定されている提携業者であることがほとんどです。

ですから、「病院紹介=悪い」というわけでは決してありません。
むしろ、誠実に対応してくださる会社も多いです。

ただし、ここで大切なのは――
「提携先=自分に最も合う葬儀社」とは限らない、ということなんです。

費用の考え方、プランの内容、宗派対応、地域事情など、
ご家族の希望と違う場合もあります。
その場の流れで決めてしまうと、後から「もう少し選べばよかった」と感じることも少なくありません。
人が亡くなった瞬間ほど、冷静でいられない時はありません。
でも、その“たった数分の判断”が、その後の安心を左右するんです。

2.病院からの案内は「紹介」であり「強制」ではない

医療機関は、法律上「葬儀社を選定・斡旋する義務」はありません。
あくまで「紹介」という形で、希望がある場合にのみ案内してくれます。

つまり、病院側が提示する葬儀社を利用するかどうかは、ご家族の自由です。

もし「もう決まっている葬儀社があります」と伝えれば、
病院はその葬儀社へ何分後にお迎えに来てくださいと、指示をくれます。

また、まだ決まっていない場合には、病院紹介の葬儀社に対面し簡単な流れ費用感を確認し納得できれば搬送をしてもらえばよいです。

搬送後に搬送先で打ちあわせ、見積もり提示をうけ、判断すればよいのです。ここで契約になるので、納得いかなければ別な葬儀社に変更しましょう。

だからこそ、“一呼吸おいてから決める”ことが、何よりも大切です。

3.最初にやるべき3つの行動

親が亡くなった直後にやるべきことは、実はシンプルです。

死亡診断書を受け取る
 医師の正式な診断書を受け取ります。これは役所手続きの際死亡届と火葬許可証の申請に必須の書類です。

家族・親族への連絡
 まずは最も近い家族に連絡し、判断を共有します。
 誰が喪主を務めるのか、搬送先をどうするかを話し合いましょう。

安置先を決める
 自宅か、葬儀社の安置施設か。
 迷った時は「一時的に安置できる場所」を確保し、後でじっくり検討して構いません。

この3つさえ押さえれば、慌てず、落ち着いて動けます。

4.葬儀社を選ぶ時に確認しておきたい3つのポイント

葬儀社を選ぶ際は、次の3点を意識してみてください。

地元に拠点があり、実際にホールを持っているか
 現地対応が早く、打ち合わせや安置もスムーズです。安置の際の対面も可能なのか確認します。

費用の内訳が明確か
 見積書が丁寧で、内容を一緒に確認してくれるかどうか。費用はトータルで算出されているか、支払い条件は現金かカードなのか、何日以内に支払うのかも確認しましょう。

担当者の説明が誠実であるか
 「今すぐ決めましょう」ではなく、「ご家族でご相談ください」と言ってくれる葬儀社は信頼できます。言葉使いや、服装、所作を観察しましょう。


本当に良い葬儀社は、“急がせない”会社なんです。
ご家族の気持ちが落ち着くまで待てること――それが誠実さです。

5.病院搬送と安置先、冷静な判断のコツ

病院からご自宅やホールへの搬送は、多くの場合、数時間以内に行われます。
この時に「搬送だけお願いするのか」「葬儀も含めて依頼するのか」をはっきり伝えましょう。

たとえば、まだ葬儀社を決めていない場合は、
「搬送だけお願いしたいです」「葬儀社はこれから検討します」
と一言伝えるだけで十分です。

また、搬送車が来た際は、

  • 車両の会社名・担当者名をメモしておく
  • 安置先の住所・連絡先を確認する
    これだけでもトラブルを防げます。

大切なのは、「どの会社が悪い」ではなく、
誰が責任を持って動いてくれているか”を把握すること。
それが、葬儀を安心して任せる第一歩になります。

6.まとめ「流れで決めない」が後悔を防ぐ

人が亡くなった直後は、何も考えられなくなるのが自然です。
だからこそ、最初の数時間をどう過ごすかが重要です。

・焦らない
・流れに任せない
・一度立ち止まって、家族で話す

それだけで、後悔の9割は防げます。病院や施設では、危篤や看取りになることを教えてくれます。その際に葬儀社と相談されたほうが良いですよと 。お亡くなりになる少し前に葬儀社と相談をしておくと安心できます。

葬儀は“選ぶ”時代になりました。
どんなお別れを望むのか、誰に任せるのか。
それを考える時間を、ほんの少し持つだけで、
葬儀の印象も、心の整理の仕方も、大きく変わります。

そして、あなたが落ち着いて選んだ決断こそ、
故人にとっての“最期の贈り物”になる。
それが、今日お伝えしたかったことです。

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