【逝去と死去の使い方】 一生迷わない”正解”を葬儀社が整理します

突然ですが、こんな場面を想像してみてください。

会社の上司から、こう声をかけられたとします。

「このたび、あなたのお父様が死去されまして…」

――どうでしょう?胸がザワッとしませんか?

逆に、ニュースでこう聞いたらどうでしょう。

「○○さんがご逝去されました」

こっちは自然に聞こえますよね。

同じ「亡くなる」という意味なのに、言葉ひとつで温度が変わる。

これ、実は葬儀の現場でもよく起こるんです。

ご遺族に寄り添いたい気持ちで選んだ言葉が、逆に違和感を与えてしまう。

今日はこの「逝去」と「死去」の使い分けを、葬儀社の現場目線で、一生迷わない形に整理します。

目 次

  1. まず結論:「逝去」と「死去」の決定的な違い
  2. 使う場面別の正解例:ニュース・会社・お悔やみ
  3. よくあるNG:失礼になる言い方と自分の身内の伝え方
  4. 似た言葉も整理:「他界」「永眠」「死亡」「急逝」の使い分け
  5. まとめ:迷った時の最強ルール

1. まず結論:「逝去」と「死去」の決定的な違い

結論から申し上げます。

逝去=相手への敬意を込めた言葉(敬語)
死去=事実を淡々と伝える言葉(中立・公的)

ここがすべてです。

「逝」という字には、旅立つ・去っていくというニュアンスがあります。

だから直接的な”死”という響きを避けて、相手に配慮した言い方になるんですね。

一方で「死去」は、役所・病院・ニュース・会社の公式文書などで使われる、あくまで事実の表現です。

感情や配慮を乗せない場面で力を発揮する言葉なんです。

私は思うんです。

この2つは「正しい・間違い」じゃなくて、温度の違う道具なんだと。

包丁とハサミみたいなもので、場面が違うのに同じように使うと、どうしてもズレが出てしまいます。

2. 使う場面別の正解例:ニュース・会社・お悔やみ

じゃあ、具体的にどこで何を使うか。

ここを場面で覚えると、一生迷いません。

(A)ニュース・新聞・訃報

ニュースでは、「○○さんが死去しました」「○○さんが逝去しました」どちらも見かけますよね。

ここは媒体の方針もあるんですが、一般的には――

人として敬意を示したい訃報には「逝去」、事実として伝える報道には「死去」が選ばれやすいです。

ただ、視聴者や読者の受け取りは本当に繊細で、特にご遺族の目に入る可能性がある場面では、「逝去」の方が角が立ちにくいです。

(B)会社・ビジネス(取引先への連絡)

取引先や目上の方のご家族の訃報なら、基本はこうです。

「○○様がご逝去されたと伺い…」
「このたびはご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます」

「ご」をつけて「ご逝去」。これは定型として強いです。

逆に、社内の規程や公的な書類、事故報告のように感情を排する文書では――

「○月○日、○○は死去した」

のように「死去」が選ばれます。

ここ、ポイントなんですが、

相手に届く文章=逝去が安全
手続き・記録=死去が多い

この使い分けなんです。

(C)弔問・お悔やみの会話(口頭)

面と向かって言うなら、実は最強はこれです。

「このたびは…お悔やみ申し上げます」
「突然のことで…お力落としのことと存じます」
「お父様のこと、驚きました…」

無理に「逝去」「死去」を口で言わなくても、十分に成立するんですよね。

言葉が硬くなりすぎると、逆に気持ちが伝わらないこともあります。

ただ、どうしても言葉として伝えるなら――

「お父様がご逝去されたと伺いました」

が丁寧で安心です。

3. よくあるNG:失礼になる言い方と自分の身内の伝え方

ここが一番大事です。間違える人が本当に多いポイントなんです。

NG①:相手のご家族に「死去されました」

「死去」は敬語じゃないので、「されました」をつけると、丁寧っぽく見えて実はちぐはぐになります。

耳が良い方ほど、ここに引っかかるんです。

✅ 正解は――

「ご逝去されました」
「亡くなられました」
「他界されました」

など。

NG②:自分の身内に「逝去」を使う

これ、意外とやりがちなんですが、「逝去」は相手を立てる言葉なので、自分側に使うと不自然なんです。

たとえば、社外に伝えるときは――

「父が亡くなりまして」
「父が他界いたしました」
「父が死去いたしました(公的・かたい場面)」

が自然。

「父がご逝去しまして」は、丁寧にしたつもりでもズレてしまいます。

NG③:迷って”専門用語っぽさ”で選ぶ

ここ、危険なんです。

知ってる言葉を使うほど丁寧、というわけではありません。

丁寧さは、相手の心を傷つけない選び方で決まるんだと私は思うんです。

4. 似た言葉も整理:「他界」「永眠」「死亡」「急逝」の使い分け

ここもまとめておくと、文章がグッと楽になります。

  • 亡くなる:万能。会話でも文章でもOK
  • 他界:丁寧で柔らかい。身内にも使える(他界いたしました)
  • 永眠:弔辞やお別れの言葉でよく使う。少し詩的
  • 死亡:医療・事故・行政の用語。感情を入れない
  • 急逝:急に亡くなった場合。訃報で使う
  • 逝去:相手側に敬意を示す訃報表現
  • 死去:中立で事実を伝える、公的な表現

ここでミニチェックです。

取引先の会長が亡くなった」――メールで何が安全でしょう?

答えは、ほぼこれ一択です。

「ご逝去」

逆に、「役所に提出する書類」や「死亡届」系は、世界が違うので、「死亡」「死去」が主役になります。

5.まとめ:迷った時の最強ルール

最後に、迷った時のルールを1本にまとめます。

  • 相手側の訃報に触れるなら「ご逝去」
  • 手続き・記録なら「死去/死亡」
  • 会話で迷ったら「亡くなられた」「お悔やみ申し上げます」で逃げてOK

私は思うんです。

こういう言葉は、正確さ以上に、相手の胸に刺さらないことが大事だと。

形より気持ちが大切なんです。

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