今年の春のお彼岸はお墓参りが久しぶりになる方も多いのではないでしょうか

新型コロナ感染対策が緩和され、お墓参りが久しぶりになる方も

2020年1月に日本で新型コロナウイルス感染症が確認されて以降、外出制限をはじめ感染対策がとられておりました。ようやく第8波も下火になり厳しい感染対策が緩和されてまいりました。葬儀業界でも、新型コロナウイルス感染症によって亡くなられた方の葬儀や火葬についても、一定の処置をとれば通常のご遺体と同じように執り行うことができるようになりました。
春のお彼岸を控え、外出を控えていた方もそろそろお出かけやお墓参りのご予定などたてられているのではないでしょうか。

お彼岸は春分の日と秋分の日にあたる2日だけなのか?

お彼岸は春分の日と秋分の日を中日(ちゅうにち)として前後3日間、合計7日間をお彼岸の期間とされています。
今年(令和5年/2023年)のお彼岸の期間は
春分の日 3月21日(火) → 春のお彼岸 3月18日(土)~3月24日(金)
秋分の日 9月23日(土) → 秋のお彼岸 9月20日(水)~9月26日(火) となります。
この7日間の最初の日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸明け」と呼びます。

お墓参りがお彼岸に行われる背景

春分の日と秋分の日は、太陽が真東からのぼり、真西に沈むので、先祖のいるあの世『彼岸』と私たちがいるこの世『此岸』が通じやすくなるといわれ、この時期にお墓参りをしてご先祖様を供養する風習があります。

他の仏教を信仰する国では特にみられない日本独自の文化のようです。また春には五穀豊穣を祈り、秋には実りの収穫を感謝する、地域によって独自の行事や土地の神様を祀る奉納が執り行われています。


お彼岸が国民の祝日とされる意義

もともと春と秋のお彼岸では先祖を祀る日でしたが、明治時代に、毎年春分の日には「春季皇霊祭」、秋分の日には「秋季皇霊祭」が斎行。歴代皇族の御霊を祀る行事が執り行われていました。1908年に制定された「皇室祭祀令」では春季皇霊祭・秋季皇霊祭ともに大祭に指定。戦後、この皇室祭祀令は廃止されましたが、「春季皇霊祭」「秋季皇霊祭」は現在でも宮中の皇霊殿で執り行われています。

1948年(昭和23年)に制定された国民の祝日に関する法律では、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」、秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ日」とされました。

11月23日の「勤労感謝の日」も同法により定められましたが、由来は天皇が秋の収穫物を神々に供えて感謝する祭事「新嘗祭(にいなめさい)」にあたります。古来より農業が主産業であった日本は1年を農作業の時期に合わせて暦(農事暦)や神事、祭りなど様々なことが定められていました。
戦後、GHQの命令によりアメリカのサンクスギビングディ(毎年11月の第4木曜日)にあたる祝日を設けることとなり、農業以外に従事する人々にも感謝しあえる日として「勤労感謝の日」が定められました。

ともに戦時中の国家神道の意味合いを払拭しながらも、日本の文化や風習が継承され、国民が主体となる祝日に制定されました。

一般的なお墓参りの時期

一般的には春秋のお彼岸、お盆、祥月命日、月命日、年忌法要にお墓参りが行われます。また結婚や入学、就職など人生の節目に故人や祖先に報告するためにお墓参りをされる方もいらっしゃります。故人を偲ぶこと自体が供養につながり、いつ行ってもいいものです。ふと思い立った時に訪れ、お参りする遺族にとってもお気持ちが安らぐものになると思います。

お墓参りの手順

厳密な手順や作法は決まっておりませんが、以下の順序で行われるとスムーズに進みます。

  1. お墓の掃除
    お墓の周囲のゴミや雑草をとります。墓石は柄杓で水をかけ、スポンジなどで汚れを取ります。水がたまりやすい箇所は苔が生えやすいので念入りに行いましょう。最後に水洗いをして水気を拭きとります。
  2. お供えをする
    お供え物の基本は五供(ごく)ですが、必ず全てそろっていなくても大丈夫です。
    ・香  お線香や抹香奈など、香りをたてるもの
    ・花  仏花、菊、シキミに限らず、故人の好きだった花や季節の花など
    ・灯燭 ろうそくに火をともすこと
    ・浄水 きれいな水を献上
    ・飲食(おんじき) 食べ物や飲み物は、袋や箱の封を開けてお供え
  3. お線香をたく
    お墓の掃除、お供えをしてからお線香をたきます。
    最近は香りや煙の少ないお線香もございます。
  4. 合掌礼拝 
    故人と縁の深い人から順に、手桶の水を墓石にかけます。数珠を手にかけ礼拝。
  5. お参りが終わったら
    ・ろうそくや線香の火が消えているか確認。
     ろうそくやお線香を消す時は、息を吹きかけず、上下に揺らす、手のひらで仰ぐ、
     専用の線香消しを用いるといった方法で行います。
    ・借りた柄杓や桶、掃除用具を片付ける。
    ・お供え物(食べ物、飲み物、花)は持ち帰るように決められているところも多くあります。

お線香をあげる意味

お線香は火をつけると香りと煙が立ち、のちに灰が残ります。お線香の独特の香りが苦手な方もいらっしゃるかもしれません。お線香に火をつけると立ち上る煙は、あの世とこの世をつなぐ橋渡しになるともいわれ、故人への思いが煙とともに故人のもとへ届くとも考えられています。

お線香の本数や立て方は宗派によって異なりますが、故人を偲び、思いを寄せることがより大切なことかと思われます。

お彼岸のお供え物の定番

お彼岸のお供え物の定番はおはぎやぼたもちですが、基本的には同じものです。一年を通じて和菓子屋さんやスーパーなどで購入できる人気和スイーツです。形状にちなんだ呼び名ではなく、春のお彼岸ごろに咲く牡丹(ぼたん)、秋のお彼岸ごろに咲く萩(はぎ)の花にちなんで『ぼたもち』『おはぎ』と呼ばれています。

お彼岸に小豆を使った『ぼたもち』や『おはぎ』をお供えするのは諸説あるようですが、小豆の赤は邪気を払う効果があると言われています。漢方でも用いられ、特に解毒作用や利尿、消炎の効能、ビタミンB1、食物繊維の効果があるとされています。昔は砂糖が貴重であったため、砂糖を用いた食べ物をお供えすることは、先祖を敬い感謝の気持ちを表すことにつながるようです。

今年の春のお墓参りはちょっとした小旅行にするのもいいですね

今年の春のお墓参りは『全国旅行支援』を活用し、いつもは日帰りのお墓参りも今回は1泊してお得に過ごすのもいいですね。クーポンを利用して食事をしたり、お土産などを購入すると、故人様へのお土産話にもなるかもしれません。全国旅行支援の詳細は都道府県ごとの問い合わせ先や旅行会社、予約サイトなどにてご確認くださいませ。

SNSへのシェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!