霊柩車を手配したいがどんな種類がある?霊柩車の選び方

皆さんは「霊柩車」と聞いて、どんな車を思い浮かべますか?

煌びやかな金色の屋根がついた伝統的な車?
それとも、街中で見かける、黒く光る高級車のような車でしょうか?

「霊柩車って、何種類あるの?」
「自分たちの葬儀には、どれを選べばいいんだろう…」

そんな疑問を持つ方は、実はとても多いんです。

今回は、現場経験をもとに、「6種類の霊柩車」と「失敗しない選び方」について、わかりやすく丁寧に解説していきます。

霊柩車は、故人を見送る“人生最後の乗り物”。
その選び方ひとつで、「お別れの印象」や「残された家族の気持ちの整理」が大きく変わることもあります。

知らなかったでは済まされない、実はとても大切な“選択”。
この動画を通して、ご自身や大切な人のために、最適な選択ができるようにしていきましょう。

目 次

  1. 霊柩車とは
  2. 主な6種類と特徴
  3. 選び方のコツ
  4. 地域性と傾向
  5. 心に残る「お見送り」体験談
  6. まとめ

1. 霊柩車とは

霊柩車とは、ご遺体を火葬場や式場に運ぶための専用車両です。

でも、それは単なる“運ぶための車”ではありません。

お通夜や告別式、最後の火葬場への道のり――
その間、ご遺体は霊柩車で移動します。つまり「霊柩車=最後のお別れの時間」でもあるのです。

実は、霊柩車には法律上の要件もあり、保冷装置や棺の固定装置など、一定の設備基準を満たした車両だけが「霊柩車(特殊用途車)」として登録されます。

2. 主な霊柩車6種類とその特徴

① 宮型霊柩車

日本独自の伝統様式。
金色の装飾や神社仏閣風の屋根が特徴。

  • 格式や儀式性を大切にする方に人気
  • 昔ながらの「葬儀らしさ」がある
  • 地方(特に東北・九州)では今でも使われる

最近は都市部で敬遠されがちですが、
「祖父が宮型で送られるのが夢だった」というご家族も。想いが込められる車種です。


② 洋型霊柩車

黒塗りのクラウンやベンツなど高級セダンをベースにしたタイプ。

  • 落ち着いた雰囲気で、都心では主流
  • 派手さを避けつつ、品位を保てる
  • キリスト教や無宗教の式でも違和感なし

セレモニー感と現代的なスタイルを両立した万能型です。


③ バン型霊柩車

ハイエースやキャラバン、さらにアルファード・エスティマ・ノアなどのミニバン車両をベースにしたタイプ。

  • 火葬式や直葬に多く使われる
  • 保冷設備つきの車もあり、搬送向け
  • 比較的リーズナブル

実はこのタイプ、「霊柩車」として登録されていても、**用途は“搬送専用”**のことが多いです。

病院から自宅へ、自宅から安置所へなど、式典の演出というより、実用性と移動効率を重視したタイプです。


④ リムジン型霊柩車

ストレッチリムジンをベースにした豪華な車両。通常の車両のボディを延長して作られた特別仕様車です。

  • 見た目の印象が非常に強く、記憶に残る
  • 遺族が同乗できる仕様もあり「最期の時間」を一緒に過ごせる
  • 芸能人や著名人のお別れでもよく使われる

💡「おばあちゃんが映画のヒロインみたいで嬉しかった」と言っていた孫の言葉が印象的でした。


⑤ マイクロバス型霊柩車

コースターなどのマイクロバスを改造したタイプ。

  • 長距離移動に便利
  • 車椅子の方、身体が不自由な方の移動にも対応
  • 棺を囲むように家族が乗車できる設計もあり

地方や山間部、島しょ地域などで今も重宝されています。


⑥ 軽霊柩車

軽バン(エブリィ、ハイゼットなど)をベースにしたコンパクトな霊柩車。

  • 狭い道・住宅密集地に強い
  • 直葬、生活保護葬などにも活用
  • コスト面でも優れている

見た目が軽自動車で、「葬儀車両だと気づかれたくない」というニーズにも対応しています。

3. 霊柩車の選び方

霊柩車を選ぶ際のポイントをまとめましょう。

葬儀の規模や形式  → 火葬式:バン型・軽型
  → 家族葬:洋型・バン型
  → 一般葬:洋型・リムジン型・宮型

地域の慣習   → 東北・九州では宮型も人気
  → 都市部では洋型・バン型が主流

想いと雰囲気   → 豪華な見送りをしたい → リムジン型・宮型
  → 静かに見送りたい → バン型・軽型

4. 地域別傾向

  • 都市部:洋型・バン型・軽型が主流
  • 地方:宮型やマイクロバス型が今も活躍
  • 島しょ・山間部:軽型・四駆タイプが必要なことも

地域によって「普通」「当たり前」の霊柩車はまったく違います。地元の葬儀社に相談するのがベストです。

5. 心に残る「お見送り」

あるご家族の話です。

お父様が音楽好きで、生前「ジャズが流れる中で送ってくれ」と話していたそうです。

その想いを受けて、ご家族はリムジン型霊柩車を選び、Bluetoothスピーカーでジャズを流しながら火葬場へ向かいました。

車内には静かな涙と微笑み。
ご遺族の方は「まるで、お父さんが指揮を取っているみたいだった」とお話しくださいました。

また、Kさんご一家が選ばれたのが、宮型霊柩車。

「父には、立派な霊柩車で送ってあげたかったんです。」

そう話してくださったのは、80代のお父様を亡くされた60代の長男・Kさんでした。

お父様は、地元の神社の氏子総代を長年務められ、地域のお祭りや行事にも積極的に参加される方。お正月の初詣には、着物に袴で参拝されるなど、**昔気質の“粋な男”**だったそうです。

病気がわかってからも、「ワシの葬式は、簡単に済ませんでええぞ」と、冗談交じりに話していたそうです。

黄金に輝く屋根、寺院のように厳か(おごそか)な装飾。
まさに「故人を敬う象徴」である宮型は、ご家族にとって自然な選択でした。

「最初は、派手すぎるかもしれないと迷いました。でも、母が“お父さんらしくていいじゃない”って言ってくれたんです」

葬儀の日、式場から火葬場へ向かう道すがら――
沿道の人々が思わず立ち止まり、手を合わせる光景が見られました。

中には、「〇〇さんじゃないか。立派に送ってもらってるなあ」と声をかけるご近所の方も。

Kさんは静かに言いました。

「父らしい見送りができた。あの金の屋根に、父の誇りが乗っていたように思います」

霊柩車は“ただの車”ではなく、「人生のエンディングシーン」を創る舞台なのです。

 まとめ

霊柩車は6種類のバリエーションがあり、それぞれに意味と価値があります。

「どう送りたいか」
「どんな人だったのか」
「その想いを、どこで・どう届けるか」

それを考える時間が、
残された人にとっての“心の整理”にもなります。

後悔のない選択のために――
ぜひ、ご家族で霊柩車の話をしてみてください。

SNSへのシェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!