世界の葬儀の参列者・費用・かける時間

皆さん、世界のお葬式って、 「誰が参列して」「どれくらい時間をかけて」「いくらくらいかかるか」 想像したことありますか?

実は──

アメリカは1日葬+保険・積立で備える国

イギリスはコンパクトに1日で送り出す国

韓国は3日かけて、とにかくたくさんの人が弔問に来る国

ドイツは家族と本当に近い人だけで、静かに送る国

日本は2日葬+火葬半日、香典で支え合う国

ざっくり言うと、こんな違いがあります。

「誰が参列するか」という顔ぶれは、どの国も実はよく似ています。 でも── 何日かけるのか、いくらぐらいかけるのか、そして”誰のための場”だと思っているのかは、国によって全然違うんです。

今日は、

アメリカ

イギリス

韓国

ドイツ

この4つの国と日本を比べながら、

「世界のお葬式って、どんな人が集まって、どれくらい時間とお金をかけているのか?」

というテーマで、深掘りしてお話しします。

目 次

1.アメリカの葬儀 ─ 誰が来る?いくら?何日かかる?

2. イギリスの葬儀 ─ 1日でコンパクトに送る国

3. 韓国の葬儀 ─ 3日葬と、絶えない弔問客

4. ドイツの葬儀 ─ 家族と親しい人だけの静かな場

5. 日本との比較 ─ 世界の中で、日本のお葬式はどう見える?

6. まとめ

それでは、さっそく見ていきましょう。

1. アメリカの葬儀

誰が参列するのか

アメリカのお葬式に来るのは、

配偶者・子ども・親・兄弟姉妹などの直系家族

祖父母・おじ・おば・いとこなどの親族

友人・職場の同僚や上司

教会に通っていた方なら、教会の仲間・牧師さん

と、日本とあまり変わりません。

訃報は、教会の掲示板やSNSで広く共有されることも多く、 「来たい人はどうぞ」という、比較的オープンな雰囲気です。

どれくらい時間をかけるか

典型的な流れは、

前日夕方〜夜:ビジテーション(お別れ会)…2〜3時間ほど

翌日:葬儀ミサや告別式…1時間前後

そのあと:埋葬の儀式が30分〜1時間

トータルで、2日がかり・式そのものは2〜3時間程度というイメージです。

いくらくらいかかるのか

費用の目安は、

葬儀社への費用(安置・式・棺など)で、だいたい100万〜150万円前後

ここに、

エンバーミング(遺体の防腐処置)

墓地の区画代

墓石・墓標

などを足していくと、 トータル200万〜300万円前後になることもよくあります。

金額だけ見ると、「日本のお葬式+お墓」と、そこまで大差はありません。

ただ、大きな違いは香典文化がないこと。 基本的に、費用は遺族が全額自己負担です。 そのため、多くの方が葬儀保険や積立で”自分の葬儀費用”を事前に用意する文化が根付いています。

2. イギリスの葬儀

誰が参列するのか

イギリスも、顔ぶれは日本と似ています。

家族・親族

故人の友人

近所の人

仕事関係者

特徴的なのは、訃報を新聞やネットに掲載する文化です。 「どなたでもご参列ください」と書かれていれば、 故人を知っている人は、誰でも参列してよい、オープンなお葬式になります。

所要時間

イギリスのお葬式は、かなりコンパクトです。

教会や火葬場のチャペルでの葬儀…40分〜1時間

そのあとに、近しい人だけでの埋葬立ち会いが30分前後

さらに、ごく近い人たちでパブや自宅に集まり、1〜2時間ほど”お別れ会(wake)”

基本は1日で完結。 「1日かけて、しっかりと送り出す」という感覚です。

費用の目安

参列者ありの一般的な葬儀で、70万〜90万円前後

「直葬(ダイレクト火葬)」という、参列者なしで火葬だけを行うプランだと、30万円前後から

日本と比べると、

式の時間は短く

香典や返礼品も基本的になく

「シンプルに、でも心を込めて送る」

というスタイルが多い国です。

3. 韓国の葬儀

誰が参列するのか

韓国は、「誰が来るか」の範囲がとても広い国です。

家族・親族はもちろん、

故人や遺族の友人・同級生

会社の上司・同僚・取引先

近所の人

同じ教会の人

など、「とにかく縁のある人はみんな顔を出す」という感覚が強いです。

ポイントは、

故人を知らなくても、「友だちのお父さんの葬儀だから」といって参列する

というケースが非常に多いこと。 目的は「遺族を支える」ことに重きが置かれています。

所要時間

韓国には「3日葬」という言葉があるくらい、3日間かけるのが一般的です。

1日目:ご遺体の搬送・安置・準備

2日目:弔問客のピーク。親族・会社・近所など、入れ替わり立ち替わり来る

3日目:告別式 → 火葬または埋葬へ移動

火葬・納骨まで含めると、丸3日+移動の半日くらいかかることも多いです。

費用の目安

病院併設の葬儀場を利用した、一般的な「3日葬」で、約50万〜100万円前後と言われます。

飲食の量・弔問客の多さによって、費用は大きく増減します。

韓国にも香典文化があり、 弔問に来た方が封筒にお金を入れて渡し、それが費用の一部を支えます。

日本と似ていますが、 「できるだけ多くの人が来て、3日間、遺族を支える」という意味合いが、より強い印象です。

4. ドイツの葬儀

誰が参列するのか

ドイツは、どちらかというと「近い人だけで静かに送る」国です。

直系の家族

親族

親しい友人

ご近所の一部

一部の仕事関係者(本当に近い人だけ)

日本のように「会社全体でぞろぞろ行く」というよりは、 本当に故人と縁の深かった人たちだけが集まる、クローズドな雰囲気のお葬式が多いです。

所要時間

教会や葬儀ホールでの式…30〜60分

その後、棺を運んで、墓地での土葬や、火葬・納骨の儀式が30分前後

こちらも、1日で完結することがほとんどです。

費用の目安

ドイツは、お墓まわりの費用が高くなりやすい国です。

ごくシンプルな火葬+埋葬なら、数十万円台から

標準的な儀式+墓地+墓碑まで含めると、100万〜200万円前後

墓地の場所や石碑にこだわると、さらに高額になります

また、ドイツは墓地の管理規則が厳しいため、 「お墓を維持するための費用」も含めて考えると、トータルでは日本と同じか、それ以上になるケースもあります。

5. 日本との比較

では、ここまでのお話を踏まえて、 日本のお葬式を世界の中に並べてみます。

誰が参列するか

日本も、顔ぶれは同じです。

家族・親族

故人の友人・ご近所

会社関係者

ただ、日本の場合は、

「お世話になったから」と会社単位・町内会単位で大人数が来る一般葬

逆に、「家族だけで静かに送りたい」という家族葬

この振れ幅がかなり大きいのが特徴です。

所要時間

通夜…夕方〜夜にかけて2〜3時間程度

告別式…2〜3時間程度

その後、火葬場に移動して火葬に1〜2時間

トータルでは「2日間+火葬の半日」というスタイルが、今でも主流です。

アメリカ・イギリス・ドイツが「基本1日葬」、 韓国が「3日葬」だとすると、 日本はその中間くらいのイメージですね。

費用

一般的な葬儀で、100万〜200万円前後

家族葬・直葬なら、50万〜100万円未満に収まるケースも多いです

金額だけを見ると、 アメリカ・ヨーロッパ・韓国と比べて、特別高すぎる、というわけではありません。

ただ、日本には香典文化があり、 30万〜50万円程度の香典収入があると、 実質的な負担は100万円前後に落ち着くことも多いです。

一方で、

通夜・告別式・精進落とし・返礼品…

おもてなしの要素が多く、

「故人を丁寧に送る・皆さんにきちんとお礼をする」

という文化が、費用を押し上げているのも事実です。

6. まとめ

今日は、アメリカ・イギリス・韓国・ドイツ、そして日本を比べながら、

誰が参列するのか

どれくらい時間をかけるのか

いくらぐらいかかるのか

という視点で、世界のお葬式を見てきました。

結論を一言で言うと──

「顔ぶれはどこも似ているけれど、 何日かけて、いくらかけて、誰のための場だと考えているかは、国ごとに全然違う」

ということです。

アメリカ・イギリス・ドイツは、 1日でコンパクトに送り出し、保険や積立で自分の葬儀費用を用意する国。

韓国は、 3日間、たくさんの人が絶えず訪れて、”遺族を支えるための場”になる国。

日本は、 2日葬+火葬半日、香典で支え合いながら、「故人にも、来てくれた人にも丁寧に向き合う国」。

私は思うんです。 葬儀の形は国によって違いますが、 どの国にも共通しているのは、

「故人を想い、残された家族を支えたい」

という気持ちなんじゃないかと。

世界のお葬式を知ることで、 「自分だったら、どんなふうに送られたいかな?」 「親や家族のとき、どんな形を選んであげたいかな?」

そんなことを考えるきっかけになれば嬉しく思います。

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