知っておくと安心!家族葬での香典事情と香典辞退の対応方法について

近年、近しい家族のみで葬儀を執り行う家族葬が増えていますが、訃報連絡の際に香典を辞退する方もいらっしゃいます。

故人にお世話になった側としては、
「葬儀に参列もできないし、香典も送ることができないなんて」
「以前、多額の香典をいただいたので今回はぜひ包ませてほしい」
「他の親戚と同じように(同額の)香典を送りたい」など、
もどかしく思われている方もいらっしゃるかと思います。

今回は香典を辞退について、遺族側の理由と送りたい側の対応方法についてご紹介致します。

もくじ
  1. 遺族が香典を辞退する主な理由
  2. 香典辞退の連絡を受けた時
  3. 香典を辞退したのに送られた場合

1. 遺族が香典を辞退する主な理由

遺族が香典を辞退する要因としては、さまざまな理由が挙げられます。

1-1. 相手に金銭的な負担をかけたくない

葬儀に参列される方は必ずしも近隣にお住まいではないこともあります。また時間の都合がつく方ばかりでもありません。
交通手段や日程や時間の工面、様々な負担がかかることを考慮し、香典を遠慮されるケースをなります。

気兼ねなく葬儀に参列していただくためにも香典を辞退することになることも考えられます。

1-2. 香典返しに対する労力をかけたくない

参列者から香典を受け取った後、遺族は1か月程度以内に「香典返し」を渡すのが基本的なマナーです。
「香典返し」の品物の選定から準備、挨拶状の作成、手配と大変気を遣う作業となります。

葬儀後も遺族は様々な手続きを行わないといけません。

最近は家族の人数も少なくなり、一人当たりの葬儀後の手続きの負担が増えてしまっています。
香典返しの労力は思う以上となります。

1-3. 葬儀自体が小規模で低価格になっている

お通夜を行わないで1日葬にしている、葬儀の式を行わずに簡略化したお別れ会を行い火葬のみにしているなど、簡略化した葬儀も増えています。またお住いの地域によっては火葬にかかる費用が無料の場合もあります。

結果として葬儀費用が低価格の傾向にあります。

参列者が喪主・施主の家族であることもあり、お身内では特に香典を準備せず、周囲の方にも香典辞退の連絡となるケースもあります。

1-4. 故人の遺言で香典の辞退

故人が香典を辞退した場合は、やはり故人の遺志を尊重するほうがよいです。

2. 香典辞退の連絡を受けた時

施主や遺族から「香典の辞退」の申し出があった場合、無理に渡す必要はありません

故人への強い思いで香典を送ってしまうと、失礼な印象を与えてしまったり、遺族の負担となります。
他の対応方法についてご紹介します。

2-1. 香典を送らない

決して失礼にあたることでも、故人に対する気持ちがないと判断されることはありません。

故人を偲び葬儀に参列し、心をこめて合掌をして、焼香をあげるだけでも最後のお別れのご挨拶となります。

2-2. 香典の代わりに「供花」や「お別れ花」を送る

葬儀社に依頼をすれば手配をしてもらえます。

供花は葬儀の祭壇の左右に設置されます。

お別れ花は、棺の中に入れるために用意されたお花です。葬儀がなく火葬のみの場合、このお別れ花を贈ります。

供花やお別れ花には、送り主のお札がつけられます。複数の人と一緒に供花を贈る場合、お札にはその方のお名前が連名で記載されたり、「友人一同」や「〇〇大学△△サークル〇期一同」などと表記されます。

香典と同様に供花もお返しの「お品物を用意する場合」と「お礼(礼状)のみ場合」があります。

供花

お別れ花

香典と同様に供花も辞退される遺族もいらっしゃいます。
その場合は、無理に何も贈らないほうがいい場合もあります。

2-3. 家族葬なので葬儀に参列できず香典も辞退された場合

香典辞退に加えて、葬儀が家族葬で行われる場合、本当に葬儀にかかわることができません。

葬儀の直後では遺族も大変お疲れの状況ですので、少し日にちをあけて都合も確認し、ご自宅に弔問に伺うのが無難です。

その際には、お花やお菓子、お線香などを持参すると、遺族も受け取りやすいのではないでしょうか。

弔問をするのであれば、忌中(四十九日までの間)に行います。

ご家族は少し間をあけて誰かとゆっくりお話をしたい場合もあります。
故人を偲んで思い出話をされるのもよいかもしれません。

一方、遺品整理や片付けを始められ、家の中に入ることを嫌がられることもあります。
その場合は玄関先で簡単に挨拶をし、さっと失礼しましょう。

3. 香典を辞退したのに送られた場合

香典辞退の連絡をしたのにもかかわらず、
「香典返しは不要ですが受け取ってください」と持参される方もいらっしゃいます。

また、当日は参列できないため香典だけ参列者に託される方もいらっしゃいます。

遠方の方より郵便書留で送られることもあります。

その場合、無下にお持ち帰りいただくこともできません。
一応は香典を受けとり、香典返しを送ります。

また遺族が知らないだけで「故人と当事者にしか知りえないご関係」がある場合もあります。

故人の縁故者との縁を大切にするのも供養につながるかもしれません。

送る側の気持ちも汲んで頂戴し、丁寧にお礼をしましょう。

葬儀社では香典返しでお悩みのご相談も受け付けております。

まとめ

【香典を送りたい側】
ご遺族より香典を辞退されると残念な気持ちにもなりますが、ご遺族のお気持ちを考慮すると香典は控える方が無難です。

何もしなくても、心から手を合わせご冥福をお祈りすることが大切です。
香典を送る以外にもお悔やみのお気持ちを伝えることができますが、ご遺族の負担とならない範囲での配慮が必要です。

【香典を辞退する側】
香典を辞退する場合は、配慮のある言葉づかいで理由をきちんと説明することが重要です。
感謝の気持ちを示し、相手のお気持ちを傷つけないようにすることが大切です。

香典を辞退したにもかかわらず、「どうしても」とお断りすることも難しいこともあります。
故人様とお関わりのあった方とのご関係を尊重し丁寧にお礼を申し上げ、四十九日までの間に香典返しをしましょう。

葬儀費用が低価格化している傾向にありますが、葬儀後も何かと費用がかかります。香典を受けとられ、丁寧にお気持ちをお返ししましょう。

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