枕飯・枕団子とは?お茶碗を割る意味とは?

枕飯(まくらめし)とは、故人が使っていた茶碗にご飯を盛り、箸を立てたものです。
この世での最後の食事とされます。ご遺体の枕元に供える枕飾りのひとつで、ほかに枕団子などがあります。

この記事では、枕飯や枕団子の意味や由来、作り方、を詳しく紹介します。

目次

枕飯とは?

枕飯は枕飾りのお供えの1つで、お茶碗にご飯を山盛りによそい、箸を垂直に立てて供えるものです。
箸を立てるのは、あの世への橋渡しという意味があります。

枕飯の由来には、亡くなった人の復活を願うための食事という説と、
貴重な白米をお茶碗に山盛りにすることでこの世に心残りを持たないよう、旅立ってもらうため
という説があります。

もともとは嫁入りの時に一膳めしを出し、お里に戻ることのないようにと願い込める習慣だったようです。
それがいつしか、葬儀で故人が無事に旅立てるように願いを込めるための習慣へと
変化していったと言われています。

枕飯のきれいな作り方

いざ、枕飯を準備するとなったときに、こんもりと、きれいによそうのは難しいもの。
そんな時は、2つの茶碗を使って形を整える方法がおすすめです。 

両方の茶碗にご飯をよそったら口の部分をぴったり合わせ、片方の底面を上に向けてください。 
そのままの状態でそっと上の茶碗を外したら、きれいな形に仕上がります。

「なかなか綺麗によそうことができない!」とお困りの方は、
ぜひ試してみてください。

枕団子とは?

枕団子も枕飯同様に、故人様の枕元にお供えします。
枕団子の由来には、故人があの世で空腹を感じたらお腹を満たせるように持たせるためという説と、
旅の途中で腹をすかせた人に団子を分けることで徳を積めるようにという説があるといわれています。

枕団子を作るようになったのは、お釈迦様の入滅が起因とのこと。
ご飯を食べずに亡くなられたお釈迦様を気遣って、弟子が団子を作ったことが、
枕団子のはじまりといわれています。

現代では、
「旅路の中でお腹が空いたときに食べてほしい」
「空腹で困っている人に出会ったら、団子を分けて徳を積んでほしい」
という、故人様への想いが枕団子に込められています。

お供えする個数

お供えする枕団子の個数は地域によって異なりますが、
多くの地域では仏教の思想が関係して「6個」とされています。

人は死を迎えると成仏するまで四十九日間、六道の地蔵菩薩を廻ります。
六道とは、輪廻する迷いの世界です。人は生まれ変わる度にこの六道の何処かに生まれます。

地獄道の檀陀、飢餓道の宝珠、畜生道の宝印、修羅道の持地、人道の除蓋障、天道の日光、が待っています。

この旅は険しい道のりです。

この世に残された者から、「無事に辿り着き悟りを開くまでの間、お腹が空いたら食べて欲しい。」との願いや、
上記の六地蔵を前にしたとき、ひとつずつお供えするという意味を持っています。

枕団子の作り方

枕団子とはいえ、私たちが口にするお団子の作り方と変わりありません。
ご参考までにその材料と作り方の手順をご紹介いたします。

また今回ご紹介している手順は、最後にお団子をゆでる作り方です。
お手持ちの蒸し器を使用する場合は、団子の表面にツヤが出るまで蒸すと良いでしょう。
(お湯を沸かす下準備は飛ばしていただいて構いません)

<材料>
枕団子6個分
・上新粉80g
・お湯80cc
※熱湯はやけどの危険がありますので、少し冷ました手で触れるくらいの温度のお湯でお作りください。

下準備

大きめの鍋にお湯を沸かす

大きめの鍋にたっぷりと水を入れ、お湯を沸かします。
(この水は分量外です)

手順

上新粉を混ぜる

ボウルに上新粉を入れ、お湯を数回に分けて混ぜ合わせます。
一度にお湯を入れてしまうとダマになる可能性がありますので、
必ず数回に分けて入れ、少しずつ伸ばしていくように混ぜると良いでしょう。

※やけどに注意しながら混ぜ合わせてください。

手順

ひとまとめにする

だいたい耳たぶくらいの固さになるまで混ぜ合わせたら、ひとまとめにします。

手順

六等分し、丸める

手順2でひとまとめにしたものを、六等分にしてから、1つずつ団子状に丸めます。
先に六等分にしておくことで、出来上がりのサイズが均等になりますのでおすすめです。

手順

お団子をゆでる

下準備で用意した沸騰した鍋に、お団子をゆっくりと入れていきます。
沈んでいた団子が浮き上がったら茹で上がりの目安です。(3分くらい)

ゆでたお団子は、水を張ったボウルに入れて冷やすと良いでしょう。

蒸す場合・・・鍋に蒸し器をセットし、 団子をそっと優しく入れていきます
団子の表面にツヤが出始めると蒸しあがりです。およそ10分くらいが目安です。

手順

自然乾燥させてできあがり

1分ほど水で冷やしたお団子を、ザルですくい上げ自然乾燥させてできあがりです。

お供えする期間

枕飯や枕団子は、ご逝去された時から火葬をする直前まで、お供えをします。
毎日炊きたてのご飯を供えるのが一般的です。
枕団子に関しては、形が崩れたり乾いたりしたら新しいものと交換します。

枕飯は出棺時、棺に入れる

出棺時までお供えしていた枕飯や枕団子は、半紙に包んでお柩にお入れします。

仏教では、故人の魂は冥土に着くまで長い旅をすると考えられており、
ごはんを棺に入れる行為には「お弁当をもたせる」という意味合いがあります。

多摩中央葬祭・森の風ホールでは、家族葬プランをお選びいただいた皆様に
祭壇にお供えする枕飯・枕団子をご用意しております。

お葬式でお茶碗を割る意味

出棺に合わせて、故人の使っていたお茶碗を遺族が割る習慣は現在も受け継がれています。

なぜお茶碗を割るのか・・・それは故人が戻って来ないようにするためです。

亡くなった事実をお互いに認識させるために、どこかのタイミングで線を引かなくてはなりません。

しかしそれに対して、故人が何かすることはできません。
だから、送る側の人たちが故人に向こうの世界へ行くように促すのです。
そこで故人が愛用していた茶碗を割って、まだ近くにいる故人の霊に自分が逝かなくてはならないことを知らせ、
送る側にも亡くなったことを再認識させる。そのために茶碗を割るという風習が生まれたのだといいます。

なお、浄土真宗では、亡くなった直後に極楽浄土に行くという考えがあるため、
茶碗割りをする必要はないとされています。

まとめ

枕飯は、故人が無事に成仏するためのさまざま願いが込められています。
故人様への最後の施しなので、心を込めてお供えしましょう。

また、茶碗を割ることはもったいないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
この行為には送る人たちの思いやりが込められています。
出棺の際に声を出して「さよなら」という代わりが茶碗なのでしょう。

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