葬儀の際、葬儀社が必ず聞いている内容があります。それは、故人様の宗派です。例えば仏教だけでも様々な宗派が存在しますが、葬儀も法事もその宗派のやり方にのっとって行います。
お世話になっているお寺さん(菩提寺)がわかっていればスムーズですが、核家族化やひとり暮らしの方が増えるなかで「宗派がわからない」というお声も多数いただくようになりました。
今回は宗派がわからない際には、何に困るのか、どのように葬儀の宗派を調べ、葬儀のやり方を決めればいいのかを詳しく解説します。
なぜ葬儀の宗派が決まらないと困る?
葬儀を行う際になぜ宗派がわからないと困るのかご説明しましょう。主な理由はこの2つです。
- 葬儀の日程が決まらない
- 納骨先が決まらない
葬儀の日程が決まらない
どの宗派で葬儀をするとしても欠かせないのが僧侶の読経です。僧侶の予定に合わせて葬儀の日を決めます。葬儀社は、お客様に、日程調整も兼ねて必ずご希望の宗派を確認します。
宗派がわからない、または菩提寺がなく、宗派もない場合は、葬儀の日程が決められないので葬儀社から僧侶を紹介します。
納骨先が決まらない
もし菩提寺や宗派が未確定のまま葬儀をして、あとから菩提寺がわかった場合は、その菩提寺に納骨できない可能性があります。
というのも、お寺の墓地はその宗派の方のための場所です。異なる宗派で葬儀をした場合には、葬儀のやり直しが発生する可能性がないわけではありません。
葬儀の宗派がわからない際の確認方法
いざ葬儀となった際には、慌てないように、菩提寺や宗派を確認するのが確実ですが、急な不幸の場合にはそうもいかないこともあります。宗派についてわからない時には、方法が3つあるので確認してみましょう。
菩提寺や親族に聞く
菩提寺は、先祖からのお墓があり、法事や法要をお願いしているお寺のことです。もし菩提寺がわかっていて付き合いがあるのなら、菩提寺に直接聞くのが賢明です。
宗派以外にも確認したいことがあれば菩提寺に電話して聞きましょう。もし菩提寺がわからない際は、ご自身より年長の親族の方に聞くのもよいです。親族の方の経験から菩提寺や宗派がわかるかもしれません。
仏壇や位牌を確認する
仏壇や位牌は宗派ごとの特徴があり、わかる人が見ればすぐに宗派がわかります。下記の一覧と照らし合わせながら仏壇を見てみましょう。
宗派 | 特徴 |
天台宗 | 仏壇の中心にある本尊は阿弥陀如来か釈迦如来など。本尊の右には天台大師智頭、左には最澄の絵が飾られている |
真言宗 | 本尊は大日如来。本尊向かって右に空海、左に不動明王の絵がある |
浄土宗 | 本尊に舟形光背の阿弥陀如来像がある |
浄土真宗 | 本尊は阿弥陀如来で、大谷派は後光が6本、本願寺派は後光が8本出ている |
曹洞宗 | 本尊は釈迦如来で、向かって右側に道元、左側に瑩山の絵がある |
臨済宗 | 本尊は釈迦如来。本尊の左右にかかっている絵は宗派によるので要確認 |
日蓮宗 | 本尊は三宝尊、十界曼荼羅、日蓮上人像の3つがある |
お墓の特徴を確認する
仏壇をすぐ確認できない場合は、お墓で判断しましょう。
宗派 | 特徴 |
天台宗 | 戒名などに加えて阿弥陀如来を意味する梵字が彫刻されている場合がある |
真言宗 | 竿石に「南無大師遍照金剛」が刻まれていて、併せて梵字が書かれている場合もある |
浄土宗 | 竿石に「南無阿弥陀仏」もしくは「倶会一処」の文言があり、戒名に「誉」という文字が含まれている |
浄土真宗 | 竿石に「南無阿弥陀仏」もしくは「倶会一処」の文言があり、戒名ではなく法名と書かれている。また卒塔婆がない |
臨済宗・曹洞宗 | 竿石の一番上に「○」もしくは「空」などが入っていることがある |
日蓮宗 | 竿石に「妙法」と刻まれていて、戒名に「日」が入っている |
宗派が不明な場合の対処法
ご紹介した方法で調べても宗派がわからない場合もあります。その際はこれから紹介する4つの方法で葬儀の宗派を決めていきましょう。
実家や親戚の宗派と揃える
日本では、本家の宗派を引き継ぐのが一般的です。そのため、本家の親戚の宗派に合わせて葬儀を行ってください。
宗派や僧侶との相性を重視する
万が一の時は、菩提寺にお任せしなくてはいけない、とは言い切れない時代になりました。そのため、自分自身や故人様らしい宗派を選ぶというのも、選択肢のひとつにあげられるようになりました。
僧侶とのマッチングサービスというものも存在しているので、興味がある方はぜひ使ってみてください。また、「このお坊さんがいい」という出会いも大事にしましょう。
最近ではSNSなどインターネット上で積極的に情報発信している方もいらっしゃいますし、直接交流ができるイベントも開催されています。情報収集してみてはいかがでしょうか。
無宗派の葬儀にする
無理に宗教を決めずに、無宗教で葬儀をする選択肢もあります。日本人の約7割は仏教式の葬儀ですが、その次に多いのが無宗教での葬儀です。一旦無宗教で葬儀を行い、後から宗派を決めても問題はありません。
無宗教の葬儀は、世間の決まりに縛られずに自分らしさを出すことも可能です。無宗教で行う葬儀がどういったものか、イメージがわかない場合は葬儀社に相談してください。
専門家にお任せする
それでも「とにかくよくわからない!」という方は、手っ取り早く葬儀社にお任せしてもよいでしょう。自社で手配している僧侶が複数人いるのはもちろんのこと、葬儀社と僧侶をつなぐ仲介業者も存在しています。
こうしたネットワークを活用して、相性のいい僧侶を決めてもらう方法もあります。
葬儀の宗派に迷ったら、多摩中央葬祭へご相談ください
「どの宗派で葬儀を行えばいいかわからない」「無宗派の葬儀に興味がある」という方も多いと思います。多摩中央葬祭では、どの宗派での多様な葬儀にも対応しております。
また、必要なものが揃った各種プランだけでなく、どんな宗派の要望にも応えられるようフリープランも用意しております。
オプションには、生前の思い出を振り返られるメモリアルムービーやメモリアルソングの制作も可能です。府中市・立川市・国立市で葬儀場にお困りの方や、終活中の方も是非ご相談ください。
まとめ
普段から信仰する宗派について、なかなか意識することはできません。葬儀を出すことになって慌てて確認することも多いでしょう。
しかし、宗派が決まらないと、葬儀の日程と納骨先も決められないことになります。周りに聞いたり、仏壇やお墓を確認したりなど、確認手段は様々にありますが、手を尽くして調べてもわからない時は、自分で決めてしまうことも可能です。
宗派を決めることができなくても無宗派での葬儀も可能です。専門家に相談して宗派の決定をお任せするのもよいでしょう。
もし宗派がわからなくても、私ども多摩中央葬祭の葬儀では、心配なく葬儀が行えますので、なんでもご相談いただけると幸いです。