損傷が激しいご遺体とは?また 会うべきか?会わないべきか?

突然の事故や 思いがけない最期のとき・・・確かに損傷が激しい場合は「会うべきか、会わないべきか」で迷うご家族が たくさん いらっしゃいます。その10秒の迷いが、一生の後悔の記憶に変わる瞬間を、私は何度も見てきました。

本日は、損傷が大きいご遺体のケースでは、どんな亡くなり方・どんな状況が起きているのか?そして会える状態をどう作るか?私たちは、プロとして心の安全を第一とし、ご遺族の記憶を守るための整えを丁寧に行います。

結論はひとつ。**どんな最期でも、お別れは設計できる。**それが弊社の仕事です。

目次

損傷が激しい ご遺体とは?

損傷が激しいご遺体とは、事故や事件、病気など 様々な理由により、生前の姿から 大きく変わってしまった状態のことをいいます。このような ご遺体は 病院などでのご逝去ではなく、ほとんどが 事故・災害・事件性が疑われる場合などの 警察介入ケースです。

検視・検案の目的は犯罪性の有無確認で、流れとしては、検視→必要なら解剖→これがクリアされれば ご家族に お引き渡しに移れます。

死因がはっきりしないケースでは、司法解剖となり 事件性が否定できない場合、臓器が取り出され、死因を科学的に突き止めるための作業が続きます。また、身元不明・本人確認中も警察の管理下に置かれます。

どんな亡くなり方をしたのか? ①交通事故

ハザードの点滅、ラジエーターの蒸気、焦げた繊維と樹脂のにおい。足元には粉のように砕けたガラスと、バンパーの樹脂片が散らばり、砕けた破片が 歩くたびに 靴裏にカリッ・カリッと噛む・・片方の靴は横断歩道の端、もう片方は中央分離帯の影に転がっていました。

ブレーキを引きずった黒いスリップ痕は、交差点の手前から弧を描き、えぐれた路面(ガウジ痕)、ここが衝突点だと、現場が静かに告げています。

衣服には微細なガラスと泥、胸から腹に帯状の変色(シートベルトの痕)が走り、頬は腫れで輪郭がわずかに歪む。

鼻筋の擦過痕は薄く乾き、口元の裂けは、すでに細い縫い目で閉じられている。

 ここから先は、葬儀社の 会える状態をつくる仕事です。まず清拭。温めたタオルで肌のざらつきをそっと拭い、顎の固定で表情を安定させ、乾きやすい部位に薄く保湿。

必要があればシリコンやワックスで段差をなだらかに整え、色のムラを抑えます。

どんな亡くなり方をしたのか? ② 水死・溺死したご遺体

川や海で水死したご遺体は、ひと目で「水に呑まれた」と分かる特徴を持っています。深夜、川沿いに集まる警察と鑑識。川面を照らす懐中電灯の光に、ゆらりと揺れる人影が浮かび上がります。

 水中から引き上げられたご遺体は、ずしりと重く、濡れた衣服が体に張り付き、滴る水がアスファルトに 音を立てて落ちています。

腹部は水を吸って膨れ、皮膚の表面には、水圧でできた細かな裂け目。時には体内のガスが溜まり、皮膚が張り詰めるように膨張することもあります。

金属製の台に移されたとき、冷たい蛍光灯の下で、その姿が露わになります。皮膚は血の気を失い、灰白色に沈み、ところどころ青黒く膨らんでいる。顔はむくみで形が変わり、膨れ上がり、おおきな まん丸になり まぶたは閉じきらず、白目が充血し濁っていて、眼球が赤い血管を走らせています。

 口や鼻には、まだ泡立った水と粘液が こびりつき、乾きかけの泡が白く固まって残っている。匂いは、生臭さと湿った泥の匂いが入り混じり、現場の空気を重く支配していました。

指先は水に長く浸かり、皮膚がふやけて白く剥けかけ、爪の間には川底の砂利や泥が詰まっている。

 手の甲には必死に掻きむしったような傷跡、腕には水中で何かに絡まった痕が赤黒く残っている。

検視官が肺を確認するために体を傾けると、口からは泥水と藻が混ざった液体が、ごぼっと溢れ出す。それが台の上で広がる音に、場の空気が一瞬止まる。

 そこには、「確かに生きたまま水を吸い込んだ」――溺死の証拠が刻まれていたのです。

ご遺体をお迎えに・・目にした衝撃とは?

検死・解剖が終わったので、警察から葬儀社へ ご遺体のお迎えの要請がかかり、指定の場所へ お迎えにあがります。警察館内で 蛍光灯の白い光が照らす冷たいコンクリートの一室。何度訪れても 慣れることができない光景です。 

そこに並ぶのは金属製の台、その上に横たわるご遺体は 全裸です。鼻を突くのはアルコールと血の混じった独特の匂いが ただよっています。

ここからが、葬儀社としての私たちの役目です。ご家族が安心して面会できるように、故人さまを生前の印象へと近づけるために 丁寧に整えます。

まずはお体の 清拭(せいしき)・お着替え・表情の安定から・・・交通事故などで形の損失がある場合は、形成の専門処置を検討します。

 シリコンやワックス、専用のパテで輪郭を補い、段差をなだらかに整える。頬がこけてしまったときは専用の綿を詰めて ボリュームを少し足し、ご家族がお持ちの生前のお写真を確認しながら、その方らしい口元・目尻のニュアンスに寄せていきます。

整形後は修復メイクへ。色ムラを整え、光で強調されやすい部分のコントラストを和らげる——首もとなどに 締めた後の残る痕跡は、化粧・綿・テーピングを組み合わせ、近くでも遠くでも違和感が出ないように調整します。

仕上げは上45度の柔らかい照明。距離は半歩、初回は短時間×複数回の面会で、心の負担を最小限にします。これらの工程は、納棺師やエンバーマーといった専門職が担当します。方法・範囲・所要時間・ご費用は必ず事前にご説明し、ご遺族の同意をいただいてから進めます。無理は決していたしません。

会うも愛。会わないも愛。どちらも正解です。

私たちはプロとして生前に近いお姿へ、そして永遠に続く ご家族の“記憶”を守る整えを、一つひとつ積み重ねていきます。

本日のまとめ

一方そのころ、遺族のもとには警察からの一本の電話。「ご家族が発見されました。身元確認に来ていただけますか。」淡々とした声に、ただ事ではないと悟ります。

警察署に到着した母親は、硬い椅子に座らされ、「これからご遺体をご覧いただきます」と告げられる。カーテンが静かに引かれ、冷たい蛍光灯の下、白い布を胸元までかけられた娘の顔が現れた瞬間――

 母親の喉からは声にならない叫びが漏れました。涙で顔を覆いながらも、目に飛び込んでくるのは、頬の痣(あざ)、首に残る深い痕、青白くなった唇。「事故」では済まされない現実が、親の心を容赦なく切り裂いていくのです

そしてようやく、ご遺体が遺族に引き渡される時が訪れます。冷たく硬い台から 棺へと移されるその瞬間、遺族は初めて「もう一度抱きしめたい」という想いに駆られます。

しかし、損傷や痕が残る姿を前に「最後にどう見送ればいいのか」・・・遺族は途方に暮れるのです。でも ご安心ください。できる限りお姿を整え、ご家族の手でお別れいただけるようにいたします。

 そう言葉をかけ、化粧や修復を施し、血の痕や痣を目立たなくしていく。母親は再び棺の前に立ち、「こんなにきれいにしていただいて…まるで眠っているみたい」と、震える声で呟きます。

たとえ悲しみが消えなくても、最後の姿に安らぎを取り戻すこと・・・それこそが、葬儀社に託された大切な使命だと私は思っております。

秘密厳守・事前見学・費用の透明化・・・「見せない配慮、見届ける覚悟」。この二つを、あなたのご家族にお約束します。どんな最期でも、人の尊厳は消えません。

遠慮なく ぜひ お電話ください。事前相談・見学予約など無料で行っております。どうか この情報を必要な方へ届けてください・・・。

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