通夜に参列した後、通夜の後に故人を偲びながら食事する「通夜振る舞いに参加してほしい」と、遺族の方から声をかけられた経験はありませんか?そこで今回の記事では、通夜振る舞いでの注意点やマナーのほか、参加できない場合の断り方について紹介します。
また、初七日法要の後や火葬後に会葬者へ食事を振る舞う「精進落とし」についての詳細を知りたい方は「知っておきたい!葬儀の後に行う「精進落とし」のポイント4点をご紹介」をご覧ください。もし忌引き休暇の嘘がやむなく必要だったが、バレてしまった時は「忌引き休暇の嘘がバレた!?法律での罰則や証明書の発行について紹介」もご覧ください。
通夜振る舞いとは?
通夜振る舞いとは、通夜のあとに行う食事会のことです。
昔の通夜は夜通し故人に付き添い、夜が明けるまで線香とろうそくの火を絶やさないようにしていました。通夜振る舞いの食事や飲み物もそれに合わせて夜通し提供していましたが、現代では夕方〜夜の数時間で済ませることがほとんどです。
地域・宗教によって違いがある
地域によっては食事の提供はせず、弔問客に寿司の折詰めやおまんじゅうなどを渡して、親族のみで食事をすることもあります。自分の住む地域ではどのような形式が取られているのか、事前に葬儀社に確認しておきましょう。
また、神式の葬儀では直会(なおらい)が通夜振る舞いに当たります。キリスト教式では通夜の代わりに前夜式と呼ばれる葬儀を行いますが、通夜振る舞いのような食事会は設けていません。ただし、日本独自の慣習として、お茶菓子が振る舞われる傾向にあります。
通夜振る舞いをしない時もある
通夜振る舞いを行うことは、必須ではありません。遺族の希望や予算の都合、また家族葬・一日葬など手短に葬儀を済ませる方が増えていることもあり、通夜振る舞いを行わないパターンも増えています。また、場合によっては葬儀会場以外で食事会を行うこともあります。
昨今では新型コロナウイルスの影響もあり、食事会ではなく、お弁当やカタログギフトなどを渡す場合もあります。いずれにせよ遺族や参列者が納得する形で故人を思い返す場を設けることが望ましいでしょう。
参加者が通夜振る舞いで気を付けるべきマナー
通夜振る舞いに参加する場合は、遺族に失礼のないように最低限のマナーを押さえておきましょう。
案内があればできるだけ参加する
通夜が終わり、遺族から通夜振る舞いへの案内があった場合は、可能な限り参加しましょう。関東地区では、親族以外も一緒に通夜振る舞いを行う傾向がありますが、関西地区では逆に遺族・親族のみで通夜振る舞いを行う傾向があります。地域のしきたりに合わせて参加できるようであれば参加するようにしましょう。
もし、どうしても都合が悪く、辞退しなければならない場合は、遺族や世話役の親族に一声かけてから目立たないように退席しましょう。その際に、やむを得ない事情で参加ができない旨も併せて伝えると印象がよいです。ただし、「少しだけでも参加してほしい」と遺族から重ねてお願いされた場合は、一口だけ箸をつけてから退席するとよいでしょう。
通夜振る舞いでの着席する場所について
通夜の最後に喪主や葬儀場のスタッフから、通夜振る舞いへの案内があります。その案内をされてから、会場へ移動しましょう。会場内での席順は特に決まっていませんが、僧侶が上座でその隣に世話役の親族が座ることがほとんどです。
また、喪主は下座近くに座ることが多いですが、出入口に近い席は途中で退席する参加者用に空けている場合もあります。そのため、途中退席する場合は、出入口付近に着席するとよいでしょう。
会食の開始とマナー
献杯後、会食がスタートします。献杯は、乾杯と違ってグラスを高く掲げないことがマナーなので注意しましょう。献杯後は、同席した方と故人にまつわる話をするようにします。
また、会食中に喪主や遺族が挨拶回りのお酌をするために席まで来ます。この時の会話は手短に済ませてください。お酌は可能な限り受けたほうが良いですが、どうしても断る場合は「車で来たので」など、一言添えるようにするとよいでしょう。
故人に関係ない話はしない
通夜振る舞いは故人を偲び、遺族を労う場所であり、普通の宴会とは異なります。知り合いや仕事の関係者がいても挨拶程度に留めておきましょう。名刺交換や仕事の話をしてしまうのはタブーです。故人と無関係な話題を出さないようにしましょう。
大声で話す・笑うはご法度
思い出話をしていると思わず会話が弾むことがあるでしょう。また、アルコール類が振舞われるので、気持ちが高揚することもあるかもしれません。
しかし、その勢いで話し声が大きくなったり笑ったりするのは失礼にあたるため、避けましょう。通夜振る舞いも葬儀の一環なので、アルコール類はほどほどにするのがマナーです。
長居しない
故人やご遺族との関係性が薄い場合は、30分程度で退席します。食事と飲み物に一通り口を付け、長くても1時間以内には遺族に声をかけてから退席するようにしましょう。
退席する際、声を掛けるタイミングも難しいですが、遺族が落ち着いたタイミングを見計らってお声掛けをしてください。遺族が忙しい時に声をかけたり、長々と話し込んだりするのはマナー違反なので注意が必要です。
まとめ
通夜振る舞いは、通夜後に食事をしながら故人を偲び、遺族を労う場です。通夜振る舞いを行わないケースも増えてきましたが、もし遺族から案内があった場合は、都合のつく限り参加するようにしましょう。
また、参加した場合は、故人や遺族との関係次第ですが長居はしないほうが無難です。一通り食事に口をつけ、喪主や遺族とお酌を交わしたら退席するくらいが目安であることを覚えておきましょう。