家族や大切な人がガンや病気で闘病を続けてきて、主治医からご家族である アナタに、患者さんの余命はあと3か月です と言われたら アナタなら何をしますか?
「大切な人が余命3か月」と言われた時、いきなり大きな衝撃を受け、迷い、不安に感じて何をしていいか?分からない。どうすればいいか?わからない・・・という方が多いのではないでしょうか?
受け入れられない、信じたくない、ショックを受けて 不安になる。近い将来に大事な人が居なくなる、別れが来ることを意識し喪失感が増していき、何も出来なくなってしまったと伺います。
でも それはごく自然なことなんです。本日の記事は、大切な人が余命3か月と言われた時、アナタや患者さんがすべきことは何なのか?についてお話していき、あなたや患者さんの心配・悩みが少しでも軽くなれば幸いと思います。
1.「余命宣告」とは
”あとどれくらい生きられるか” という目安を、医師から患者へ告げることです。あとどれほどの期間生存できるかを予測した数値となり、医師が余命宣告をする時、 その判断は非常に難しく複雑で具体的な数字を受けたからといって、正確な数値ではありません。
2.何を準備するのか
①余命宣告の心構え
患者さん本人が余命宣告を受けたいかどうか、実際に本人に、正直に余命宣告を受けたいか?受けても大丈夫な人なのか?を確認をすること自体困難だといわれています。
医療現場では、余命宣告について2つの権利について多く話されています
1つは余命宣告を受ける権利と、もう1つは余命宣告を受けない権利があります。患者さんの中には余命を知らされないまま、ショックを受けずに穏やかに過ごしたいと考える方や、余命宣告は患者本人のみが受け、家族には知らせて欲しくないと希望する患者さんもいらっしゃって様々です。
では告知は誰がするのか?告知したほうがいいか?等、誰がどう判断しているのか?疑問に思った方、いらっしゃいませんか。実際の医療現場では、診察の時の 患者さんとの会話などから、余命宣告を患者本人が受けたいのかどうかを医師が 察して、判断するしかないと云われているそうです。
そのため、もしもアナタが患者さんとなった場合、アナタが余命宣告を受けたいならば、宣告を受けたいと前もって明瞭な意思表示を医者にしておくようにしましょう。
僭越ですが私個人的な考えを言うと、患者さんにも隠さず病名や余命をお伝えした方が良いと思います。
何故かというと、余命3か月の場合、患者さん自身がまだまだ日常生活が送れて元気な場合が多く、死が近いという実感はわかない状況の方が多いと伺いました。そして元気がなくなってくるのは、亡くなる数週間くらい前からで、まだお元気なうちに、患者さんご本人と残された時間をどう過ごしたいか?について、話しあうことがとても大事だと思うからです。だから、私は余命宣告をされた方が良いと思っています。
例えば最期をどこで過ごしたいのか?どんなことがしたいのか?等、患者さんが自分自身で決めることが可能となります。残された時間で、どう生きていくことが 自分らしく生きることなのか、ご家族や医療従事者などに、どうサポートしてもらいたいのか?率直に、これからのことを話し合うことが出来るからです。
3.相談機関
余命宣告を受けると誰もがショックを受け、精神的に辛いなかで中々、家族や友人、知人に相談できない患者さんも多いと言われています。このような場合は、医師や看護師に相談をして、精神的なケアをしてもらうのも1つの方法です。例えば
・がん相談支援センター
・がん情報サービスサポートセンター
・心療内科を紹介してもらう
そして、医療に関係のない機関に相談したい場合には、厚生労働省が行う「こころの相談窓口」に電話してみるのも一案です。
・こころの健康相談統一ダイヤル(厚生労働省)…TEL 0570(064)556
・よりそいホットライン…TEL 0120(279)338
人に話すことで俯瞰的にショックや哀しみを見つめることができて、心の整理ができたなどの体験談もあります。
4.今後の治療方針を決める
①医療費を確認する
②リビングウィル・尊厳死を検討する
③セカンドオピニオンを検討するについてお話ししていきます
①の医療費を確認する
余命宣告を受けた後の治療方針を決めるに当たり、医療費は現実的な問題として ぶち当たる壁です。まずは公的支援として、高度医療制度の適用を加入している協会けんぽ、もしくは国民健康保険などに申請をしてください。特に現代の保険は、がん保険など、医療保険が充実しています。保険会社の担当者に連絡をして、先進医療特約やリビングニーズ特約への加入の有無を確認して、アナタがもらえる医療費を具体的に明瞭にしてください。
②リビングウィル 尊厳死を検討する
より充実して生きるためにも、延命処置を受ける希望の有無など、終末期医療に対して、自分の意思を記載したものを書面にすることを、リビングウィルと言います。
いざと言う時に、家族に判断させるのは重くのしかかるので、家族の責任を軽減しておくものです。記載しておく内容は
・延命治療の有無(リビングウィル)
・献体の有無
・臓器提供の有無 などで
この3つの判断は、身内に決断させるのは、酷だと思います。
仮に臓器提供を希望していても、家族が拒めば拒否もできますので、患者さん本人の意思表示をしておきましょう。
延命治療は費用も掛かります。医療費が3割負担とした場合、1ヶ月に約30万円~60万円ほどかかるのが目安です。
終末期の医療行為としては、例えば人工呼吸器や胃ろう(胃に直接栄養を流す延命措置)などがありますが、リビングウイルをしていないと、このような治療を例え本人が嫌がっても、意思疎通ができなくなっている状態だと、伝えることが出来ません。
また胃ろうや人工呼吸器を付けた場合、一度始めると後で外すことは難しいと云われています。このような事柄を、まだ意思疎通ができる段階から書面で残す、リビングウィルを行う方が良いと私は思います。
③セカンドオピニオンを検討する
余命宣告を受けた時、セカンドオピニオンを検討される方は多くなっています。
セカンドオピニオンとは、現在の病院から違う医療機関へ行き、改めて診断を受けることを差します。一般的に費用は2万円~かかります。
5.やりたいことリストを作る!できることを確認する!
不思議なことですが、余命宣告を受けた人のお話を伺うと、やりたい事をリストアップし、ひとつひとつをこなすことで、自然と精神状態を冷静に保つことができたと言う方が多いそうです。
例えば、このような、やりたいことがあります。
・京都へ行きたい (旅行がしたい)
・まず家に帰り、身辺整理がしたい
・遺言書を書きたい
・自分史を書きたい
・子どもや家族 親しい友人との時間をいっぱい作りたい
・好きな美味しいものを食べたい
・会いたい人に会っておきたい
等、できる・できないか、は度外視して、我がままで良いので、やりたいことリストをどんどん書いてしいきましょう。
そして そのやりたいことリストで できることを確認しましょう
余命宣告を受けているため、実際できることは俯瞰して判断しなければなりません。例えば、
・医師の許可を得る
・薬を忘れない
・健康保険証を忘れない
・現在地は常に共有しておくことが大切になります。
6.エンディングノートを作成する・遺影写真を用意する
そして余命宣告を受けた人々の多くが、終活を希望されるということです。終活は残された人々・家族に負担が少なくなるよう、危篤時に連絡を取りたい人々のリストや葬儀やお墓の希望、相続財産などを整理するものです。
こちらは弊社の専門分野ですので、無料事前相談をしております。電話をかけ直したりの営業は一切しておりません。皆様のお役に立てるよう不安や疑問に無料でお答えし、エンディングノートを差し上げています。遠慮なくお電話、メール、来館等、お待ちしております。
7.本日のまとめ
大切な人の死後、残された人たちが、前向きに生きていけるかどうかは、故人との関係、故人の年齢、故人の死の前後に経験したこと、頼りにできる精神的、経済的支えなどによって決まっていきます。また、家族には、故人の期待に応えることができたのかどうかを確かめ、安堵したいという気持ちがあるのです。
大切な方・近親者を失ったほとんどの人は、6カ月以上にわたって深い悲しみに暮れ、その中で喪失感、不信、怒り、抑うつ、孤独、人生の方向性の喪失、切望などの感情を経験していきます。
悲しみは時間とともに薄れていきますが、喪失感は消えません。人は死に打ち克つことはできませんが、死を受け入れ、前向きに生きることができます。
命は誰でも、限りがあります。残された時間を大切にして、より良い人生を生きぬいて欲しいと思います。
この記事があなたのお役に少しでも立てることができれば、嬉しいです。