お布施とは僧侶に読経していただいた際や戒名をいただいたときに渡す金銭のことですが、金額の相場や渡し方など、マナーが分からないという方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、お布施に関するマナーをわかりやすく解説いたします。
※本記事は弊社Youtubeチャンネル「多摩おそうぎch」の動画「【お布施 相場 いくら?】お布施の金額は?渡し方は?いつ渡す?大人のマナーお布施編。」から作成した記事です。動画の方もぜひご視聴ください。
お布施の金額の目安
結論から言いますと、金額に相場はありません。そのお寺の規模や地域などによって違うため、平均値でだいたいの金額を包むのはタブーとされています。
特に、特定のお付き合いのある「檀家」と言われるご遺族の場合は、今までのお付き合いに支障をきたさないように、これからも正しいお付き合いができるように注意したいものです。とはいえ、どのようにお布施の金額を決めたらよいの?といった疑問が出てくると思います。
そこで、3つの方法をご紹介するので参考にしてみてください。
お布施の金額の確認方法 檀家の場合
そのお寺の住職に直接確認しても問題はないため、「いくらぐらい、お気持ちをお包みすればよろしいでしょうか」と聞いてみましょう。また、過去にそのお寺で親族がお葬式をした場合は、その当時のお布施の金額を聞いてみるのも良いでしょう。
お布施の金額の確認方法 お寺のと付き合いがない場合
お寺とお付き合いがないご遺族の場合は、葬儀会社に相談してみましょう。インターネットで僧侶を手配する場合も、打ち合わせの段階でお布施の金額を確認しておくことをおすすめします。インターネットで僧侶の手配をしない場合は、葬儀会社の担当者に宗派を伝えたうえで、近くのお寺を紹介してもらうと良いでしょう。
葬儀会社は地域のお寺とのお付き合いも深く、親切なお寺をたくさん知っています。金額以外でも何か悩んだ際は、まず葬儀会社に相談するとスムーズです。
よくある勘違いとトラブル
ネット上に出ているお布施の相場を見て「だいたいこのくらいで良いかな」と、自分たちで決めてしまうと、「うちのお寺では、この金額でお引き受けすることはできません」と断られてしまう場合もあります。ネットだけではなく、葬儀会社をはじめ、親族や特定のお寺とお付き合いのある方にリサーチするなどして、決めると良いでしょう。
お布施を渡すタイミング
実は、お布施を渡すタイミングに明確な決まりはありません。基本的には、葬儀前の挨拶時や読経後のお礼のタイミングで渡すことが多いのですが、葬儀では僧侶と話すタイミングがあまりないため、イメージがしにくいですよね。
しかしご安心ください。葬儀会社が僧侶への挨拶のタイミングを教えてくれるので、予めお布施を渡すタイミングを相談しておけば、僧侶が来たときに教えていただくことができます。
お布施の渡し方のマナー
金額の相場や渡すタイミングとは違って、お布施の渡し方にはマナーがあります。これを機に覚えておきましょう。
切手盆がある場合
切手盆とは、香典やお布施などを載せる漆塗りのお盆です。葬儀のシーンだけでなく、慶弔両用で利用することができ、お祝いの席では「祝儀盆」と呼ばれます。
切手盆がある場合は、お布施袋を切手盆に載せて渡して下さい。また、「御布施」の文字が僧侶からみて正面になるように差し出すのがマナーです。
切手盆がない場合
切手盆がない場合は、袱紗に包んで渡しましょう。袱紗は色々な種類がありますが、「手袱紗」と呼ばれる風呂敷タイプの袱紗がおすすめです。
手袱紗なら作法に則って渡しやすいので、今からご説明する手順で包んでみてください。
- 手袱紗を菱形状に広げ、中央からやや右にお布施袋を置く
- 手袱紗の右側を、お布施袋を包むように畳む
- 次に、下側・上側・左側の順に同様に畳む
- 最後の左側は内側に折り込んで包む
僧侶に渡す際は、袱紗からお布施袋を取り出したら手早く袱紗を畳み、畳んだ袱紗の上にお布施袋を乗せて渡します。
この時、お布施袋の「御布施」の文字が、僧侶からみて正面になるように差し出しましょう。
お布施を渡すときのお礼の言葉
お布施を渡す際は、「本日は、〇〇(故人)の葬儀に足を運んでいただきありがとうございました。わずかではありますがお礼です。お受け取りください」と、必ず僧侶にお礼の言葉を伝えるようにしましょう。
お布施の内訳
お布施は「僧侶への謝礼」ではありますが、きちんとした内訳があります。マナーとは直接関係ありませんが、覚えておくと相場感も理解しやすくなるでしょう。
- 読経料…お経を読んでいただいたことに対するお金です。
- 戒名料…戒名を付けていただくことに対するお金で、位号によって数万円〜数百万円と金額が異なります。
- 御車代…葬儀会場まで足を運んでいただいたことに対するお礼として支払われるお金で、1万円程度です。
- 御膳料…僧侶が葬儀後のお食事会に参加しない場合に、食事代としてお渡しするお金で、1万円程度です。
お布施袋のマナー
次に、お布施の袋に関するマナーをご説明します。渡し方よりも少し細かなマナーなので、よく覚えておきましょう。
封筒の種類
お布施の封筒の表書きは宗教により異なりますが、どの宗教でも白無地の封筒を使うことが一般的です。水引は付けなくても構いません。
封筒の表と裏の書き方
封筒の上半分の表には「御布施」などと筆で書きますが、書き方は宗教によって異なります。
代表的な3つの宗教のパターンをご紹介するので参考にしてみてください。
- 仏教の場合…「御布施」「御礼」
- 神道の場合…「御祭祀料」「御神饌料」
- キリスト教の場合…「献金」「御礼」
また、封筒の下半分には施主の名前を書きます。そして最後に裏面には金額を記載します。
金額の書き方は旧字体の漢数字を使用します。例えば100,000円なら「金壱拾萬圓」といった書き方です。
(旧字体の金額の例)
- 1万円…壱萬圓
- 5万円…金伍萬圓
- 10万円…金壱拾萬圓
お札を入れる向き・入れ方
お札を入れる向きは、お札の肖像が封筒の表面になるようにします。複数枚のお札を入れる場合は全ての肖像が表面になっているか確認をしましょう。
また、お布施でお札を入れる場合は新札がマナーです。香典では旧札を入れるので、間違えないようにしましょう。
まとめ
お布施は相場や渡すタイミングに相場がないものですが、お寺様や葬儀スタッフに直接聞きながら進めると間違いありません。
お布施の渡し方やお布施袋のマナーについては、他の慶弔行事のマナーに比べるとシンプルなので、下記のポイントを抑えて覚えておきましょう。
- お布施はお寺様ごとに相場が異なる
- お布施の金額はお寺様に直接聞くと良い
- お布施を渡すタイミングは葬儀スタッフへ確認
- お布施を渡す時は切手盆か袱紗に載せる
- お布施袋の表書きは宗教により異なる
- お布施に入れるお札は新札
この記事はYoutube動画「多摩おそうぎch」から作成しました
この記事は弊社Youtubeチャンネル「多摩おそうぎch」の動画から作成した記事です。動画の方もぜひご視聴ください。