七福神巡りは、新年の縁起物としても知られ、日本各地で親しまれている行事です。七福神を巡ることで新しい年の幸運を祈るだけでなく、歴史や文化に触れる旅としても人気があります。
七福神巡りに最も適しているのは、新年の初詣の時期、特に1月1日から7日の「松の内」と呼ばれる期間です。この時期は、七福神の各寺社で特別な御朱印が用意されていることが多く、縁起物としても価値があります。また、七福神巡りを通じて新年の目標や願い事を具体化する良い機会でもあります。
目 次
1.七福神とは?
2.七福神それぞれの特徴とご利益
3.七福神巡りの全国の名所
4.初夢
5.七福神巡り 多摩地域の紹介
6.七福神巡りを楽しむポイント
7.まとめ
1.七福神とは?
七福神とは、恵比寿(えびす)・大黒天(だいこくてん)・毘沙門天(びしゃもんてん)・弁才天(べんざいてん)・布袋尊(ほていそん)・寿老人(じゅろうじん)・福禄寿(ふくろくじゅ)の7柱(ななはしら)の神々を指します。日本古来の神様だけでなく、インドや中国から伝わった神様もいるのが特徴です。もともとはそれぞれ独立した信仰の対象でしたが、「福を授ける神様」としていつしか7人まとめて参拝されるようになりました。その起源は、仏教経典『仁王経』の「七難即滅 七福即生」という言葉に由来し、「七つの災難が消え、七つの幸福が生じる」という意味があります。
日本人にとっては馴染み深い存在でありながら、それぞれの神様にどんな由来やご利益があるか、詳しくはご存知ない方も多いかもしれません。では次に、七福神一柱ずつの特徴とご利益を紹介いたします。

2.七福神それぞれの特徴とご利益
(1)恵比寿(えびす) 日本古来の神様であり、漁業や商売繁盛の神として知られています。鯛を抱え、釣り竿を持っている姿が有名です。商売をされている方は、恵比寿様を大切にお祀りされていることが多いです。笑顔をたたえた表情から、「えびす顔」という言葉が生まれ「えべっさん」の愛称でも親しまれています。

(2)大黒天(だいこくてん) 大きな袋と打ち出の小槌を持ち、財運や豊穣の象徴とされインドの神々の一つであるマハーカーラに起源する神様です。打ち出の小槌を振ると、あらゆる願いごとが叶うといわれています。「大黒天」の「大黒(だいこく)」と「大国主」の「大国(だいこく)」との音が似ていることから、両者は結びつけられ大黒天と大国主命は同一の神として扱われています。台所の神様としても信仰されることが多く、福々しい姿が印象的です。

(3)毘沙門天(びしゃもんてん) インド神話の財宝神クベーラ(ヴァイシュラヴァナ)に由来し 仏教における四天王の一つで戦いの神、または武将の守護神として信仰されています。武装した姿で右手に宝棒(棍棒)、左手に宝塔を持つ姿で 邪鬼の上に立つ姿が特徴的。勝負運や厄除けのご利益があるとされ、スポーツや競技の勝利を願う方にも人気があります。

(4)弁才天(べんざいてん) 唯一の女神である弁才天は、インドの神であるサラスヴァティーから派生し音楽や芸術の神様として有名です。そのほか、学問の神様でもあり、昔は琵琶を奏でる姿で描かれることが多かったとされています。弁財天とも表記されるように、財運や金運アップのご利益も期待できます。

(5)布袋尊(ほていそん)中国の禅僧を由来とする神様で、大きなお腹ににこやかな笑顔が印象的。和合・円満・子宝などのシンボルとしても大切にされています。布袋様のように、大らかに笑う姿は、周囲にも幸福をもたらすとされます。

(6)寿老人(じゅろうじん) 中国の道教に由来する神様で、長寿を司ると言われています。長い杖と鹿を従えた姿が特徴的。健康や長寿を願う方は、寿老人を特に信仰することが多いようです。

(7)福禄寿(ふくろくじゅ) こちらも中国の神様で、長い額が特徴。名前の通り「福」「禄」「寿」を象徴しており、幸福・財運・長寿と、人間にとっての三大願望を全て叶えてくれるありがたい神様です。寿老人との混同も多いですが、福禄寿の方が頭が長く、鶴を従えることもあります。

3.七福神巡りの全国の名所
七福神巡りは、新年の行事として特に盛り上がります。全国各地に七福神を祀るお寺や神社のコースがあり、その土地土地で御朱印や限定のお守りなどを授けてもらえるのも楽しみの一つです。
例えば、京都の「都七福神巡り」は、京都ゑびす神社、松ヶ崎大黒天(まつがさきだいこくてん)、東寺(とうじ)、六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)、赤山禅院(せきざんぜんいん)、革堂行願寺(こうどうぎょうがんじ)、萬福寺(まんぷくじ)と歴史ある寺社をめぐる人気コース。鎌倉江ノ島七福神は本覚寺(ほんがくじ)、長谷寺(はせでら)、宝戒寺(ほうかいじ)、江島神社(えのしまじんじゃ)、鶴岡八幡宮、浄智寺(じょうちじ)、妙隆寺(みょうりゅうじ)、御霊神社(御霊神社)を巡る年始に福を招く目的で多くの人々が訪れる人気のルートです。

⒋初夢
元旦の夜から2日にかけて見るのが初夢です。この初夢で吉夢をみるために七福神の宝船の絵を枕の下に置くと良いとされています。

寝る前に、なかきよの / とをのねふりの / みなめざめ / なみのりふねの / をとのよきかな という古典的な回文歌を3度読んで寝ます。 そして目指す夢は、「一富士二鷹三茄子」には「四扇五煙草六座頭(しおうぎごたばころくざとう)」です。富士は日本一高い山で、苦労して登り大きな達成感や収穫を得るため、福を連れてきます。鷹は鋭い爪で獲物をキャッチしてくるため夢を実現できる。茄子は物事を「成す」という意味があり、昔は高級な野菜でもあったため、「お金が貯まる」「子孫が繁栄して一家が栄える」といった豊かさを実現します。扇は「広がる」、煙草は「煙が立ち昇る様子から運気が上がる」、座頭は「ケガがない」というかけ言葉になっています。七福神の宝船で運気を上げましょう。

5.七福神巡りの多摩地域の紹介
多摩地域にも七福神を祀る寺社が点在しています。武蔵野吉祥七福神(むさしのきっしょう)、調布七福神、八王子七福神、青梅七福神、日野七福神、武蔵五日市七福神があり、地元の方を中心に親しまれています。
また、「青梅七福神巡り」は、青梅市内のお寺で構成されており、清宝院、延命寺、宗建寺、玉泉寺、地蔵院、聞修院、明白院自然豊かな環境を満喫しながら参拝できます。青梅の歴史ある街並みと景色も楽しめるのが魅力です。
多摩地域の七福神めぐりコースは寺院が多く、神社があるのは武蔵野吉祥七福神の杵築大社と武蔵野八幡宮になります。
6.七福神巡りを楽しむポイント
最後に、七福神巡りをより楽しむためのポイントをいくつかご紹介します。
1.御朱印帳や色紙を用意する
七福神巡りでは、色紙や専用の御朱印帳を販売している場合が多いです。記念スタンプや御朱印を集めることで、達成感や思い出作りにもなります。
2.歩きやすい靴・服装で
神社やお寺は坂や階段が多い場所もあります。ぜひ動きやすい靴・服装で出かけて、無理のないスケジュールを立てましょう。
3.地域のグルメを楽しむ
人気の食べ歩きスポットや地元の名物を味わうのも、七福神巡りの醍醐味です。その土地ならではの味を堪能しながら、ゆったりと巡るとより充実した旅になります。
4.公共交通機関を活用する
大都市圏では、鉄道やバスを使うと効率よく巡ることができます。もし車で移動する場合は、駐車場事情もあらかじめ確認しましょう。
7.まとめ
今回は七福神の概要とそれぞれの神様の特徴・ご利益、そして全国や東京・多摩地域の巡拝スポット、初夢についてご紹介しました。七福神巡りは、新年の開運祈願はもちろん、散策や観光としても楽しめます。ぜひ皆さんも、機会があれば七福神巡りにチャレンジしてみてください。