いま、「お葬式はしなくていい」という選択をするご家族が、増えています。
通夜も告別式も行わず、火葬だけでお見送りする。 いわゆる“直葬(ちょくそう)”と呼ばれるスタイルです。
時間や費用の面でもコンパクト。 親族や近所に気を遣うこともない。
──たしかに、合理的に見えるかもしれません。
でも実は、その“選択の裏側”で、 あとになって困ってしまうご遺族も、少なくないのです。
今回は、葬儀を行わなかったことで起きた後悔やトラブルの実例、 そして、心残りを防ぐためにできる小さなお別れのかたちまで、 わかりやすくお話ししていきます。
「自分だったらどうするか?」 ぜひ一緒に考えながら、お読みください。

目 次
1. 実例トーク
2. 無葬のリスク
3. 後悔の声
4. 小さなお別れのすすめ
5. 本当に心に届いた言葉
6.まとめ

1.実例トーク
ある日、60代の女性が私たちに相談に来られました。
「数年前に父が亡くなったとき、火葬だけにしたんです」
「家族も少ないし、費用も心配だったので、それが最善だと思いました」
当時はコロナ禍という事情もあり、 式をしないという判断も、理解できるものでした。
しかし── 後日、妹さんからこんな言葉が返ってきたそうです。
「なんで、ちゃんと送ってくれなかったの?」
その一言をきっかけに、 納骨や供養についての意見もすれ違い、 今では、姉妹の関係に距離ができてしまったといいます。
女性はこう話してくれました。 「自分では納得していたはずなのに、時間が経つほど、心がざわつくんです」 「“ちゃんと送ってあげたかった”という思いが、消えなくて……」
私たち葬儀の現場では、 このような“静かな後悔”を抱えるご遺族に、何度も出会ってきました。

2.無葬のリスク
いま、都市部では、実に4人に1人が直葬を選ぶ時代です。
ですが、葬儀を行わないことによって、次のような問題が起こることがあります。
第一に、親族間のトラブル。 「どうして相談してくれなかったの?」 「勝手に決められて納得できない」
──家族や親族の“想いの温度差”が表面化しやすいのです。
第二に、手続きの混乱。 火葬だけで終えてしまうと、役所や金融機関への手続きに戸惑う方が多く、 「何を、いつ、どうすればいいのか」が曖昧になり、結果としてストレスや負担が増してしまいます。
そして第三に──もっとも大きいのが、 「気持ちの整理がつかないまま、時間だけが過ぎてしまう」という心理的な影響です。
葬儀は、故人を送る“儀式”であると同時に、 残された人が、心に“けじめ”をつけるための大切な時間なのです。

3.後悔の声
「仏壇もないし、手を合わせる場所もない」 「本当に亡くなったんだ、という実感が持てない」 「ちゃんとお別れができていない気がして、今も引きずっています」
これらはすべて、実際のご相談で聞いた声です。
お葬式を行わなかったご家族からは、 あとになってこのような“不安”や“罪悪感”を打ち明けられることが少なくありません。
たとえ短い時間でも。 たとえ小さな規模でも。
「ありがとう」や「お疲れさま」と声をかけられる機会があるかどうか。
それだけで、心の中に大きな違いが生まれるのです。

⒋小さなお別れのすすめ
では、無理のないかたちで、 “心の区切り”をつけるにはどうしたら良いのでしょうか?
それが──“小さなお別れ”です。
最近では、一日葬やお別れ式、自宅での葬儀など、 ごく身近な人たちだけで、穏やかにお見送りする形式が増えています。
たとえば、
・火葬の前に、家族で手紙を読み上げる。 ・故人が好きだった音楽を流して、思い出を語り合う。 ・お花を手向けて、写真を囲んでお茶を飲む。
形式よりも、想いを大切にする。 それが、これからのお別れのスタイルなのかもしれません。
多摩中央葬祭では、ご予算やご希望に応じて、複数のご葬儀プランをご用意しています。
たとえば──
火葬式の中でも上位グレード「火葬式40プラン」は、40万円。
専用のお別れルームでご家族だけのお花入れができ、納棺師の送り化粧もセットになっています。
お棺の種類もお選びいただける、人気の高いプランです。
一日葬をご希望の方には、30万円の「家族葬特別プラン」もございます。
花祭壇やお棺、霊柩車を控えめにしつつ、宗教者をお呼びしてしっかりお見送りできる内容で、
「小さなお別れ」では物足りないという方にもおすすめです。
もちろん、一日葬は30万円から300万円まで幅広いラインナップがありますので、
小さなお別れ、普通のお別れ──どちらも選択肢としてご検討いただけます。
大切なのは「想いに合ったお別れ」を見つけること。
ぜひ一度、ご家族で話し合ってみてください。

5.まとめ
最後に、今日の動画のポイントを振り返っておきましょう。
【1】お葬式をしないと、親族間の感情や手続き面でトラブルが起きやすい。
【2】“気持ちのけじめ”がつけられず、心に残る後悔がある。
【3】費用や事情がある場合も、“小さなお別れ”という選択肢がある。
そして何より大切なのは、「誰のために、何を大切に送りたいか」を、 あらかじめ考えておくことです。
今のうちから、少しずつ話し合いを始めておくことで、 ご家族全員が納得できるお別れが、きっと見えてくるはずです。