お通夜で喪主が亡くなった!知られざる危険とその対策
お通夜で喪主が亡くなったという衝撃的なテーマを取り上げます。葬儀の際に使用されるドライアイスが原因で命の危険に陥る可能性があります ドライアイスといえば 遺体の冷却や保存のために欠かせないものですが 正しい知識がないまま使うと 酸欠による二酸化炭素中毒が引き起こされる可能性があるのです。本日はお通夜で喪主が亡くなる事故を防ぐためのポイントを解説致します
目 次
- ドライアイスがもたらす危険性とは?
- なぜドライアイスが必要なのか?
- 実際に起こり得るリスクと事故例
- 適切な二酸化炭素濃度とは
- 二酸化炭素中毒を防ぐための対策
- ドライアイス以外でも中毒に!
- 万が一の対応法
- まとめ
ドライアイスがもたらす危険性とは?
ドライアイスは固体の二酸化炭素で約−78.5度の低温です、空気中で温度が上がると昇華(しょうか)し、気体の二酸化炭素となります。これはつまり、ドライアイスが溶けると周囲の空気中の酸素が薄まり、二酸化炭素濃度が急速に高まるということです。酸素不足による息苦しさや頭痛、酷い場合には意識を失う危険もあり、これが二酸化炭素中毒と呼ばれるものです。
なぜドライアイスが必要なのか?
「葬儀では、遺体を冷却して腐敗を遅らせるためにドライアイスが使用されます。特に夏場や気温の高い環境では、遺体の状態を保つために欠かせない存在です。また、冬場でもご自宅でご安置される時は、外気が寒い中室内の温度も同様に20℃以下に保ちたいところですが、側にいる方に配慮しがちで、部屋の温度を25℃程度まで上げてしまう方が多くいらっしゃいます。そのためドライアイスは欠かせません。しかし、適切な取り扱い方法を知らないまま使うと、喪主や参列者が二酸化炭素中毒に陥る危険があるのです。」
実際に起こり得るリスクと事故例
ドライアイスを使用した葬儀の場で、換気が不十分だったために喪主や参列者が二酸化炭素中毒に陥り、危険な状態に陥った事例がいくつも報告されています。
二酸化炭素は無色無臭なので、異常を察知しにくく、症状が出るまで気づきにくいのも大きな問題です。空気中の酸素濃度が下がり、二酸化炭素濃度が上がると、頭痛や息苦しさ、めまいが起こり、酷い場合は意識を失うこともあります。これが二酸化炭素中毒と呼ばれるもので、特に、柩の中、遺体を保管している小部屋、安置室、または車での搬送中など、密閉されがちな空間で二酸化炭素が充満しやすくなります。これにより、無意識に息を吸い込んだ結果、中毒症状が現れてしまうのです。
- 葬儀場でドライアイスの入っている柩の小窓を開けたそばで、意識不明の状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。
- 葬儀場でドライアイスの入っている柩の中に顔を入れた状態で発見され搬送先の病院で死亡が確認された。
- 自宅でドライアイスの入っている柩の中に顔を入れた状態で発見され死亡が確認された。
いずれも、発見が遅くなったこと、柩の中を覗き込んだこと、が要因となっています。お通夜の終わった後に故人と対面する行為は一般的に行われています。
適切な二酸化炭素濃度CO2濃度とは
大気中における通常濃度は0.04%400ppmで室内のCO2濃度が0.1%1000ppmになると、思考力、集中力が減少します。0.2%―0.5%2000-5000ppmになると頭痛、眠気、倦怠感、注意力散漫、心拍数の増加、吐き気の発生があり、3%30,000ppmになると呼吸困難・めまい8−10%80,000-100,000ppmで激しい頭痛・ふるえとなり、5―7分で意識がなくなり30%300,000ppmでほぼすぐに意識消失になるそうです。CO2濃度は測定計以外では検知できません。ネット通販で千円台からお求めできるものがあります。計測器はほぼppm表示のため%と合わせて紹介いたしました。
二酸化炭素中毒を防ぐための対策
①換気の徹底 「一番大切なのは、換気をしっかりと行うことです。葬儀場や安置室、また柩の周りの空気が停滞しないよう、扉や窓を定期的に開け、空気の流れを保つようにします。特に、密閉された空間でドライアイスを使う場合は、しっかり換気することで二酸化炭素の濃度を下げることができます。例えば、柩にドライアイスを入れる前に、安置室の窓を開けたり、扉を定期的に開閉することで二酸化炭素が溜まらないようにします。また、空気清浄機やファンなどを設置して、空気の循環を促すと良いでしょう。」
②一人で棺の中を覗き込まない
二人以上で対面を行えば、すぐに救出することができます。一人ではなくどなたかに声掛けし必ず二人以上で対面しましょう。
②ドライアイスの量を調整する 「次に、ドライアイスの量を適切に管理することです。ドライアイスの量が多すぎると、それだけ多くの二酸化炭素が発生してしまいます。最低限の冷却に必要な量を使用し、頻繁に換気を行いましょう。」
③長時間密閉しない 「柩や安置室を長時間密閉していると、二酸化炭素が充満しやすくなります。特に、安置室に長くいる場合や搬送中には、一度に長時間密閉状態にせず、数時間ごとに空気の入れ替えを行いましょう。」
④二酸化炭素濃度のモニタリング 「より安全を重視する場合は、二酸化炭素濃度を計測するモニター機器の設置も有効です。濃度が一定以上になれば警告が鳴る機種もあります。異常に気づきやすくなります。
ドライアイス以外でも中毒に!
冬季は二酸化炭素(CO₂)中毒の事故が多く発生します。
- 寒さを防ぐために窓を閉め切ることが多く、石油ストーブやガスヒーターなど、燃焼型の暖房器具がよく使われ換気が行き届かないことが原因です。また、住宅の気密性が高いほど、換気不足が深刻になることがあります。
②車内での車中泊やエンジンをかけたままの車内で眠る際に、換気不足で排ガスが車内に入り込み、二酸化炭素や一酸化炭素中毒になることもあります。
万が一の対応法
もしも二酸化炭素による症状が疑われる場合は、すぐにその場を離れて換気の良い場所に避難しましょう。また、意識がもうろうとする、頭痛が強くなるといった場合は、ためらわず医師に相談してください。安全対策を徹底することで、万が一の事態を未然に防ぐことができます。
まとめ
今回は、お通夜で喪主が亡くなった事例をもとに、柩内(ひつぎない)でドライアイスによる二酸化炭素中毒を予防する方法についてお話ししました。ドライアイスは遺体の冷却や保存に欠かせないものですが、使い方を誤ると危険が伴うこともあります。しっかりと換気を行い、ドライアイスの量を調整することで、安全に使用できますので、ぜひ今日お話した内容を参考にしてください。