檀家として菩提寺に親族の葬儀や法要で読経をお願いし、先祖代々のお墓の管理を頼んでいる関係にある方もいらっしゃると思います。
継承者である家族が急逝した場合、次の継承者となる自分はどのようにすればよいか、なかなか聞く機会もなくお悩みではないでしょうか。
直接、菩提寺に聞く前に葬儀に関すること、また檀家ではなくても寺院で葬儀を行うポイントを整理してご紹介します。
- 檀家が菩提寺で葬儀を行う場合
1-1. 菩提寺の施設で葬儀を行う場合
1-2. 専門スタッフの葬儀式場で葬儀を行う場合
1-3. 自宅で葬儀を行う場合
1-4. 事情があり葬儀が出来ない場合 - 葬儀にかかる費用(菩提寺がある方)
- 葬儀までの流れ・葬儀の手配
- 菩提寺のない一般の方が寺院葬を行う場合
1. 檀家が菩提寺で葬儀を行う場合
1-1.菩提寺の施設で葬儀を行う場合
菩提寺や寺院で行う葬儀は『寺院葬』とよばれ、寺院の本堂や檀信徒会館などの施設で葬儀が行われます。もともと寺院の境内は厳かな雰囲気にあり、本堂内は荘厳な祭壇となっており格調高い葬儀を行うことができると思います。檀家であれば本堂を優先して利用できます。斎場のある寺院では本堂ではなく斎場での葬儀の場合もあります。
2.専門スタッフのいる葬儀式場で葬儀を行う場合
葬儀式場に菩提寺の僧侶に来ていただき、読経をお願いする。ご遺体も式場の安置所に安置でき葬儀前の面会も可能です。専門スタッフに何かと葬儀の段取りを任せることができます。
3.自宅で葬儀を行う場合
故人様に最後まで住み慣れた自宅で過ごしていただきます。自宅に菩提寺の僧侶に来ていただき、読経します。近隣の方の弔問をうけることができまするが、駐車場の確保や応対準備をしたり、又、整理整頓されている自宅の場合スムーズに行えますが、モノが多いご家庭の場合、タンスの移動など、スペースを確保する必要があり、親族の負担が大きくなります。
4.事情があり葬儀が出来ない場合
事情があってどうしても葬儀を行うことができない場合は、その旨を菩提寺にお伝えください。連絡がなく葬儀を行わないと、納骨をすることができないといったトラブルに発展する可能性もございます。
2. 葬儀にかかる費用(菩提寺のある方)
檀家が葬儀で寺院の施設を使用する場合は式場費用がかからない場合もありますが、都内の寺院では式場費用として数十万円するところや、由緒あるお寺では数百万円かかるところもございます。
葬儀式場や自宅にて葬儀を執り行う場合は、僧侶に足を運んでいただくので『お車代』、葬儀の食事の膳に代えてお食事代として『お膳料』をお布施と別に包みます。
葬儀の場所 | 菩提寺(寺院) | 葬儀式場 | 自宅 |
式場費用(祭壇費用が含まれる場合がある) |
0円~数百万円 | 数万円~ | 0円 |
安置にかかる費用 | 安置費用 (自宅安置の場合はドライアイス代) |
安置費用 (自宅安置の場合はドライアイス代) |
ドライアイス代 |
お布施 |
戒名、読経 |
戒名、読経、お車代、お膳料 | 戒名、読経、お車代、お膳料 |
参列者 | 本堂の場合制限あり斎場利用で無制限 | 参列者に合わせた式場選び | 家族、親戚、ご近所などに限定 |
共通(必要) | 搬送費用(寝台車、霊柩車)、火葬費、役所手続き | ||
共通(任意) |
祭壇(壇花)、供花、返礼品、会食、遺影写真、位牌など |
<ご注意>
- 寺院によっては指定の葬儀社がある場合がありますので、手配を進める前に確認が必要です。
- 檀家であれば本堂を優先して使用できますが、檀家以外の方は寺院運営の斎場となることがあります。または利用できないことがあります。
- お布施(戒名や読経)に関する費用は寺院や菩提寺と直接のやりとりとなり、葬儀社が間に入ることはありません。
3. 葬儀までの流れ・葬儀の手配
①ご逝去、死亡診断書(死亡検案書)を受領
②ご遺体の搬送、安置
③葬儀の打ち合わせ(日程や葬儀の内容を決定)
④親族や関係者、菩提寺に連絡(枕経に駆けつけてくれることもあります)
⑤葬儀(通夜・告別式)、火葬
菩提寺が遠方にある場合でも、葬儀後のトラブルを避けるために必ず連絡をすることをお勧めいたします。実際に遠方であっても葬儀にお越しになる菩提寺の僧侶がいらっしゃることもございます。又は、ご自宅近辺にある同じ宗派の寺院の僧侶を派遣していただける場合もございます。
4. 菩提寺がない一般の方が寺院葬を行う場合
檀家でなくても寺院が運営する会館を使用することができることもあります。檀家でない場合は本堂は利用できません。斎場も檀家でないと利用できない、宗派が同じでないと利用できない場合もあり確認が必要です。葬儀の一連の流れに大きな違いはなく、境内にある会館などの式場で行われます。一般的な葬儀式場と同じような仕様となり、式場費用も事前に確認することができます。式場だけ使用して無宗教で執り行うことも可能です。
菩提寺がない方は、葬儀会社より寺院や僧侶のご紹介が可能です。
寺院式場により規模や式場費用が異なります。確認も含めてご相談ください。
寺院施設での葬儀費用(菩提寺がない方)
葬儀の場所 |
寺院が運営する式場 |
式場費用(祭壇費用が含まれる場合がある) |
数万円~数百万円 ※本堂の使用は難しい |
安置にかかる費用 | 安置費用 (自宅安置の場合はドライアイス代) |
お布施 |
読経(※無宗教で行う場合はお布施は不要) |
参列者 |
参列者に合わせて式場を選ぶ |
戒名を希望する場合 |
戒名のためのお布施が別途必要 |
必要な費用 |
搬送費用(寝台車、霊柩車)、火葬費、役所手続き |
任意による費用 |
祭壇(壇花)、供花、返礼品、会食、遺影写真、位牌など |
葬儀までの流れ(菩提寺がない方)
①ご逝去、死亡診断書(死亡検案書)を受領
②ご遺体の搬送、安置
③葬儀の打ち合わせ(日程や葬儀の内容を決定)
④親族や関係者に連絡
⑤葬儀(通夜・告別式)、火葬
葬儀での僧侶の役割
1.読経(経をあげること、経を読むこと)
僧侶の本来の役割は、生老病死の苦しみや悩みに向き合う人々にお釈迦様の教えを説くことから始まります。宗派によって考え方は異なりますが、葬儀では『死者が現世から来世へと旅立つための導きとするための読経』を行います。読経の後に法話(仏教の説法)も行われます。
一般的に僧侶は火葬場まで同行されますが、必ずしも同行されるとは限りません。
その他葬儀にまつわる読経の種類(宗派や地域によって考え方は異なります)
〇枕経 逝去から納棺の前にあげる経。自宅で臨終を迎えた故人がそのまま自宅に安置されているところにあげてもらう経。
〇初七日法要 初七日(亡くなってから七日目)の法要であげられる経。参列者の都合や諸般の事情により、初七日法要を葬儀と一緒に行うことがあり、葬儀の読経の後に初七日法要の読経が行われます。
〇遺骨迎え 火葬の後にご遺骨を位牌とともに安置して行う読経
2.戒名(かいみょう)の授与
戒名は仏教において戒(戒律)を守ることを誓ったものが授かる名前です。仏門に入り仏の弟子となることを意味します。宗派により呼び方や考え方は多少異なりますが、戒名がないと寺院に納骨することができません。戒名料は宗派や寺院によって様々です。故人が生前にお願いしている場合もあります。
3.納骨式、各法要の供養
葬儀後、一般的には四十九日法要にて納骨が行われます。納骨式となる四十九日法要をはじめ各法要、先祖代々の供養のためにお経をあげていただきます。
菩提寺と檀家の関わりは葬儀だけではなく、お墓の管理も含まれます。菩提寺ではお墓の管理や法要、お盆やお彼岸の供養が行われています。
継承者として菩提寺とのお付き合いの仕方を考える際、故人様の思いを尊重することから始まります。
漠然と費用が高額に感じてしまう葬儀ですが、連絡なしに突然「檀家をやめる」「葬儀はやらない」などとなると、将来のトラブルの原因となってしまいます。
一つ一つの項目について菩提寺と確認や相談をしながら決断されることをお勧めいたします。
寺院で葬儀をする前にご相談ください
寺院施設で葬儀をするという非日常的なことは、判断が難しいことも多々あるかと思います。
故人様の遺志を受け、寺院施設を使用すること、葬儀のルールやマナー、葬儀後のこと、お墓についてなど、経験豊富な葬儀会社にご相談いただければ、何かとお役に立つことができるかと思います。
多摩中央葬祭ではお葬式や法事に関するお悩み事や問題に対していつでもご相談を承っております!
・森の風ホールにご来館いただいて、葬祭ディレクターとご対面でのご相談
・365日24時間お電話でのご相談
・忙しくてお時間が取れない方はwebサイトから資料請求・お見積もり等のお問合せ
・森の風ホールへのご来館が難しい方は葬祭ディレクターがお伺いし、ご自宅やご希望の場所でのご相談