関東と関西でここが違う! 葬儀の地域差について

関東と関西では、お葬儀やお墓、納骨方法に違いがあるのをご存じでしたか?

関東から関西、関西から関東へ引っ越しをされた方の中には、
葬儀の慣習の違いに驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、関東と関西の葬儀に関する慣習の違いをご紹介します。

目次

お通夜の料理を振る舞う範囲

関東関西
会葬者全員に振る舞う親戚のみに振る舞う

関東では、何人が来られるか前々から正確に分からないため、大皿で料理を用意して取り分けられるように準備をしておきます。
参列者は一口でも飲み物や食べ物を手に付けるのがマナーとされています。

反対に関西では、一般の方はお焼香が終わるとお帰りになることが多く、親戚やごく親しい方のみでだけが残り、料理を囲んで故人を偲びます。
関東のような通夜振る舞いはありません

水引の色

関東関西
黒と白/双銀黄と白/双銀

日本において、を表す色は元来「」でした。
しかし、明治以降に東洋の慣習に合わせて「」に変わり、そのため水引にも「」を用いるようになりました。

関西では、「」は宮中で使用する「玉虫色」に色が近かったため、
」の次に高貴な「」を用いたことにより、この慣習が今日にも残っています。

水引きの色は地域によって異なるため、親戚の方に聞いてみるといいでしょう。

お香典

関東関西
基本的に拝受する辞退することが多い

関東では、多くのご葬儀でお香典を拝受されています
しかし近年主流になってきた家族葬を執り行う方の中には、お香典やご供花などを
辞退される方もいらっしゃいます

関西では、親戚からはいただくけれども、一般の方のお香典は遠慮するケースが増えてきています
その場合は記帳する受付の前に香典の受け取りをお断りする旨の表示があります。
そのため関西では四十九日の香典返しもありません。

お通夜の料理を振る舞う範囲が狭いことも影響しているのかもしれません。

通夜までの日数

関東関西
逝去の2~4日後逝去の当日もしくは翌日

ご葬儀の日程は、喪主様やご親族様のご都合だけでなく、
使用する火葬場や式場の空き状況、菩提寺がある方はそちらの都合なども踏まえて決定します。

関東の特に首都圏では火葬場が混み合っており、亡くなった翌日の火葬場の予約が取れないことがほとんどです。
ですので、必然的にご葬儀の日程も少し先になってしまいます。
特に1月の上旬は、年末年始の火葬場が休業中に亡くなった方のご火葬が立て込むため、
ご葬儀の日程が1週間〜10日程度先になることも少なくなりません。

一方関西では、通夜は亡くなった翌日に行う場合が多いようです。
地域によっては亡くなった当日に通夜を行うこともあります。

骨壺

関東関西
7寸程度(直径21cm)3~5寸程度(直径9~15cm)

関東は骨壺が7~8寸と大きめの骨壺を使用し、拾うことのできるお骨全てを骨壺に入れる、全骨集骨が一般的です。
箸を使い、2人1組で収骨を行うことが大半です。
最後には刷毛と塵取りでお骨の粉まで全部集めて入れるため、
お骨の乗っていた台車にはほとんど何も残っていない状態となります。
納骨の際は、お墓の墓石の下にあるカロートに、骨壺のまま納めるのが一般的です。

関西では、骨壺が3~5寸と小さめの骨壺を使用し、火葬場の職員(=火夫カフ)が収骨を行うことが多いようです。
関西のお墓のカロートは狭く、骨壺から遺骨を出してさらしと呼ばれる木綿の袋状のものに入れ替えて納骨します。
残った骨はお墓に埋葬されたり、本山に納骨されたり、手元供養されることが多いようです


なぜ関東と関西では、骨壺の大きさが違うのでしょうか?
それは明治時代に出された「火葬禁止令」がきっかけだったようです。

当時の神仏分離政策の一環ではありましたが、土葬の衛生面の問題などから2年後に廃止されました。
この廃止時に、政府が全ての遺骨と遺灰を持ち帰るよう通達を出したようです。
関東では通達が行き渡った結果、全てを収骨する風習が定着し、現在に至っています。

しかし関西には通達が行き渡らなかったと言われています。
元々、関西では宗派の本山に納める分骨用に喉仏部分を、本骨として重要視する文化があります。
ですので明治以前から、本骨を中心に拾い終わると、後を火葬場に任せるやり方が主流のようです。

お墓の違い

関東関西
黒御影石白御影石

かつて関西では黒御影石が取れなかったことや「黒い石材を使用すると家が途絶える」と言われたことなどから、
墓石には白御影が多く使用されていました。
現代とは異なり、輸入が容易ではなかったため、近くで採掘された石を使っていたそうです。
ですので、地域によって墓石の色に違いが出てきています。

一方関東では、黒御影石が好まれます。

まとめ

今回は関東と関西における葬儀の慣習の違いについてご紹介いたしました。
ご紹介した違いはほんの一部で、ご葬儀に関連する慣習の差はまだたくさんございます。

これまで当たり前だと思っていたしきたりやマナーも、地域が変われば違いが生まれます。
関東と関西の違いのように、通夜や葬儀の習慣が地方によって違いがあることを知っておくと
参列時に戸惑うことが少なくなると思います。

葬儀の際には事前にその地域に住む親戚の方や葬儀会社などに確認しておくのも良いでしょう。

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