六種供養とは?供養の意味や目的について

「供養にはどのような意味があるのだろう」と、疑問に思ったことはありませんか?供養することは大切なことだとわかってはいても、正しく意味を理解していなければ、供養する意味がないように思えてしまうかもしれません。

そこで今回は、供養の意味や目的のほか、六種供養についてもお伝えします。供養の意味を理解することで、故人への思いをより深く大切に届けられるようになることでしょう。

目次

供養とは?

供養とは本来、仏や菩薩への敬意を表すため、食べ物や飲み物、花を供える行為を指します。仏教において供養は“尊敬”の意味を持つといわれており、こうした本来の供養と日本の祖霊信仰が組み合わさり、仏壇やお墓でお供えをして、故人の冥福を祈ることを「供養」と呼ぶようになりました。また、お経を読んだりお線香をあげたりする行為なども供養に含まれます。

供養の種類

供養には以下3つの種類があります。

  • 利供養
  • 敬供養
  • 行供養

利供養(りくよう)は、故人が好きだったものを墓前や仏壇にお供えして、冥福を祈ることです。食べ物や飲み物、花のほか、たばこやお酒などの嗜好品なども供えられます。

敬供養(きょうくよう)は、故人を偲ぶ行為全般を指し、お経を読んだり、手を合わせたりすることが含まれます。追善供養とも呼ばれ、“生きている人の善行は故人のものとなり、生きている人に返ってくる”という考え方がもとになっています。

行供養(ぎょうくよう)は、仏の教えを守って行う仏前修行を指します。「世のため人のため」になる善い行いを重ねることで、徳を積んでいくというものです。

供養の目的

供養をする目的は2つです。

1つ目は、亡くなった方の冥福を祈るために行います。故人が良い報いを受けられるよう、心を込めて供養を行います。

2つ目は遺族に向けたもので、故人の死と向き合うことが目的となります。供養を行うことで、故人を失った悲しみやつらさを乗り越え、心を落ち着かせることができます。また、供養する時間を共有することで、家族間の絆もより深まることでしょう。

六種供養とは?

六種供養とは、供養に用いる以下6つの供物を指します。

  • 閼伽(あか)
  • 塗香(ずこう)
  • 華鬘(けまん)
  • 焼香
  • 飲食(おんじき)
  • 灯明(とうみょう)

閼伽(あか)は、仏前・墓前に供えるきれいな水のことです。塗香(ずこう)は手や身に塗るお香で、心身を清めるために用います。華鬘(けまん)は、花を模した美しい仏具・装飾品で、焼香はお香のことで、線香や抹香(粉末上の香)を指します。飲食(おんじき)は、飲み物や食べ物のことで、灯明は明かり(火)のことです。

六種供養では、焼香を中心として左右対称に外に向かって閼伽・塗香・華鬘・飲食・灯明の順で並べます。

五種供養との違いは?

六種供養とは別に「五種供養」というものがあり、六種供養との違いは閼伽(あか)がないことです。一般家庭では、香、花、灯明、水、飮食の「五供(ごく・ごくう)」を供えるとされています。今日では、五供の置き方に特別な縛りはなく、設置する範囲の中に収まるように置ければ問題ありません。

供養のタイミング

供養の基本的なタイミングはお盆やお彼岸ですが、年末年始・命日といった節目のタイミングでも行います。もちろん、日常的に故人に手を合わせる供養も忘れてはなりません。そのほか、故人が亡くなった日を基準とした、以下のようなタイミングもあります。

初七日

初七日は故人が亡くなってから一番最初の供養で、亡くなった日を含めた7日目に行います。亡くなった人が三途の川に到着する日とも言われ、緩やかな流れの川を渡れるように供養をして祈ります。

しかし、近年は葬儀の日にあわせて行う「繰り込み初七日」や、火葬後に葬儀場やお寺で行う「繰り上げ初七日」が一般的です。

四十九日

故人が極楽浄土へ行けるよう、徳を積み祈るのが四十九日です。亡くなった日を含めて四十九日後に供養を行います。故人の魂は、初七日から始まって七日ごとに生前の行いの審判が行われ、四十九日にどこへ行くか決まると考えられています。

また、四十九日は「忌明け(きあけ)」とも呼ばれ、遺族が普段の生活に戻るタイミングでもあります。四十九日の詳細については、【四十九日の法要とは日程の決め方や準備、流れなどの基本を解説の記事を御覧ください。

一周忌

一周忌は、亡くなってからちょうど1年目の命日(祥月命日)に行うものです。遺族や親族、友人を中心に、故人と親しかった人が参列し、僧侶に読経を行ってもらいます。その後、焼香やお斎(おとき)と呼ばれる食事会を行うのが一般的です。

一周忌以降は三回忌・七回忌・十三回忌・三十三回忌があり、七回忌は遺族と親族、十三回忌・三十三回忌は遺族のみで行います。本来は、祥月命日に行いますが、今日では祥月命日が平日の場合、土日にずらして行われることが多くなっています。

一周忌までの流れについては、「親族が亡くなった!〜お葬式、火葬のその後…ご逝去から一周忌までの流れ〜」をご覧ください。

まとめ

今回は、供養の種類・目的・タイミングや六種供養や五種供養についてご紹介しました。日々の供養を絶やさず行うことにより、故人はより幸せな世界に行けることでしょう。日々の供養を丁寧に行い、故人を思い出したり敬意を示したりすることで、ご遺族も故人も幸せな日々を送れることでしょう。

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