訃報というものは突然訪れるものです。お子さんがいる親御さんにとって悩ましいのが「子どもたちをどうするか」ではありませんか?そもそも連れていくべきか、服装はどうするべきか、葬儀中にどうふるまうべきかなど不安は尽きません。
今回は子どもと葬儀に関する注意点をまとめてご紹介します。葬儀に連れていくべきかの判断基準や服装、子どもを連れていく際に気を付けるべき点をお伝えします。安心して葬儀に参加できるよう、訃報を受けた際はぜひ確認してください。
1. 子どもの葬儀への参列有無は故人との関係性できまる
結論からお伝えすると、葬儀に子どもを連れていくかどうかは故人との関係性によって変わります。必ずしも「子どもがいるから参列はあきらめなければ」というわけではありません。
これから紹介する基準もあくまで目安になります。子どもが産まれて間もないなど、状況次第では後日弔問するなど臨機応変に対応していきましょう。
故人が親族の場合
故人が子どもの祖父母などの親族の場合、参列しても差し障りありません。生前可愛がってくれていた場合は、最期のお別れをさせてあげたいと考える人がほとんどでしょう。また、葬儀を通じて子どもが「人の死」について考える良い機会にもなります。
ただし、親族であっても故人と子どもの面識がほぼない場合は参列を控えてもかまいません。参列する・しないにかかわらず、一度親族に相談することをおすすめします。
故人が親族ではない場合
故人と子どもが親族ではない場合は参列を控えておきましょう。故人がもし、生前子どもたちを可愛がってくれたなど、親密な関係の場合には、遺族に相談したうえで参列しても問題ないでしょう。
故人と子どもの関係が深くない場合は、家族で話し合ったうえで、子どもや親の負担が少ない方法で弔意を伝えることが好ましいです。子どもを連れて参列しない時には、以下の対応方法があります。
- 夫婦どちらかが参列し、残ったほうが子どもをお世話する
- 子どもは親戚や知人に預けて夫婦で参列する
- 焼香のみの参列にする
- 通夜・葬儀は辞退して、香典のみ準備するか弔電を送る
- 通夜・葬儀は辞退して、後日弔問する
2. 葬儀に子どもを連れて行くときの注意点
遺族側として参列するなど、葬儀に子どもを連れていく際は以下の4点に気を付けてください。
喪主や遺族に事前に伝える
赤ちゃんや小さい子どもを連れていく際は、事前に喪主や遺族に相談しましょう。遺族側の意向の確認ができます。家族葬など身内で集まる場合も同様です。
この際、合わせて葬儀場の設備についても聞いておくと安心です。キッズスペースが準備してあったり、授乳室を完備している葬儀場もあります。会場設備に合わせて荷物等も調整してください。
中座しやすい席を選ぶ
赤ちゃんや小さい子どもの場合、急にぐずることもあるでしょう。突然泣き出しても、すぐに中座ができるように、出入口に近い席に座るようにしてください。また子どもは急な体調不良やおもらしもよくあります。
こういったトラブルが起きても、出入口近くの席ならすぐに対応することができます。中席はマナー違反ではないので、頭を下げて謝意を伝えれば失礼ではありません。
なお当社では子どもが泣いてしまうなどの理由で、落ち着いて葬儀に参列できない場合、別室へ案内できます。子どもを落ち着かせるだけでなく、授乳などでもご利用ください。
おもちゃは静かに遊べるものを選ぶ
葬儀場という慣れない場所でも落ち着けるよう、おもちゃやお菓子を持って行くことは問題ありません。ただし、進行の妨げとならないように音が出るおもちゃは避けてください。
タブレットやパズル、色鉛筆と紙などの静かに集中して遊べるおもちゃがおすすめです。
子どもの記帳・香典・焼香はどうする?
芳名帳への記帳は1人ずつ行うのが原則ですが、子どもが小さいうちは無理に記名する必要はありません。ただし、家族葬など参列者の人数が少ない場合は、遺族への慰めのためにも記入してもよいでしょう。
この場合、受付の混雑を避けるために親が代理で記入してください。香典はいくら包めば良いか悩むところです。基本的に親とまとめてしまって問題ありませんが、子どもが食事をいただく際は食事代も合わせて包んでください。
焼香に関してはやけどのリスクがあるので、小学生以下の子どもにさせる必要はありません。
3. 子どもの喪服で気を付けるべきこと
参列する際に気になるのが服装です。大人のように喪服がないことが多いので、靴下や髪形をどうすべきか悩むところです。制服の有無によって対応が変わるので、それぞれ分けて解説します。
制服がある場合は制服での参列が基本
幼稚園・保育園から高校生の子どもで、制服がある場合は制服を着せてください。学生の制服は礼服にあたるので、もし明るい色味が入っていても問題ありません。
ただし、リボンやネクタイにあまりに華美な装飾がある場合は、外して参列したほうが無難です。足元はローファーや革靴が確実ですが、難しい場合は地味な色味のスニーカーでも構いません。
制服がない場合はシンプルな服装を
未就園児や制服がない幼稚園・保育園、私服の小学校に通っている場合の服装は大変悩むでしょう。基本的には落ち着いた色の服装であれば問題ありません。
乳児の場合と未就学児・小学生では注意点が若干異なるのでそれぞれ解説します。
乳児(赤ちゃん)の場合
赤ちゃんの場合、特定のマナーは存在しません。ただ、場にふさわしい色味の服装にしてください。基本的に黒・白・グレーといった、モノトーンの服やベージュのようなシンプルな色味を選んでください。
また、肌の露出を控えるために靴下を履きます。時期を問わずシンプルな色味にすることを忘れないようにしましょう。
未就学児・小学生の場合
1歳以上の未就学児や小学生の場合、モノトーンの組み合わせで準備しましょう。男の子の場合は、白シャツに暗色系のズボン、可能なら同系色のジャケットを着せてください。
夏場は上品なポロシャツのみでも構いません。ネクタイは無理につける必要はないので、子どもの好みに合わせてください。髪型は清潔感のある髪型を心がけましょう。
女の子の場合は、暗色のワンピースに同系色のカーディガンを合わせることが多いです。スカート丈は短すぎないものを選びましょう。白の襟付きシャツにズボンでも問題ありません。
お辞儀をした際に髪が顔にかかる場合は、黒のヘアゴムでまとめます。足元は制服がある場合と同様、革靴や地味な色のスニーカーを選んでください。
4. 子どもの喪服のNGパターン4選
子どもの喪服は、大人よりマナーが厳しくない一方で、どうしても場にふさわしくないものもあります。これから紹介する4点はマナー違反となるので特に注意しましょう。
派手な色や装飾があるスニーカー
スニーカーは蛍光色などの派手な色が入っているもの、音が鳴るもの、ローラー付きのもの、エナメル地のものは相応しくありません。地味で目立たないものであれば問題ないので、普段履きで1足準備しておくと、いざという時に困りません。
くるぶし丈のソックス
見逃しがちなのが靴下です。肌が露出する部分が多くなるので、くるぶし丈の靴下はNGです。女の子の場合、膝上まであるニーハイソックスもマナー違反となるため注意してください。
華やかさを連想させる色・柄
特に赤ちゃんと参列する際に注意したいのが色味や柄です。紅白や花柄、大きなリボンやレースなど華やかな柄は、お祝いごと使われるものなので避けてください。控えめなワンポイントや目立ちにくい柄であれば着せても問題ありません。
キャラクターものや派手な生地
葬儀において派手なものは原則NGです。キャラクターが大きく入った服、きらきらとしたサテン地は避けましょう。また殺生をイメージさせるので毛皮製品もNGです。フェイクファーも望ましくありません。冬場の羽織り物を選ぶ際には気を付けてください。
5. まとめ
子どもと一緒に葬儀に行くかどうかは、故人との関係性から判断するのが好ましいです。生前、故人に可愛がってもらった場合は、最後のお別れのために参列すると、故人や遺族が喜ぶでしょう。面識が浅い場合は家族間で話し合って対応を子どもを参列させるか対応を決めましょう。
子どもが騒がしくしてしまう可能性がある時は、事前に喪主や遺族に相談したうえで参列しましょう。葬儀場によってはキッズスペースなど子どもを待たせる場所もあるので確認してみてください。
服装は悩ましいところですが、「制服があれば制服を着る」「制服がなければモノクロ系でシンプルに」という2点を守ればマナー違反になることはありません。いざという時に困らないように「この組み合わせなら葬儀でも安心」という服装を持っておくと困りません。
葬儀への子どもの出席で判断に困ることがあれば、家族や葬儀を行う会場と相談しておくと、出席する際の不安が軽くなり、故人とのお別れが気持ちよくできますよ。