【葬儀 マナー】弔事で使ってはいけない言葉「忌み言葉」ってご存知ですか?

ご葬儀の場面では多くのマナーがございます。
その中でも今回は言葉づかいについてご紹介いたします。

ご遺族様とお話をされる時や、電報を打つ時などに
使ってはいけない言葉があることをご存知ですか?

これらの言葉を総称して忌み言葉と言います。

忌み言葉は不吉な出来事を招きかねないと考えられ、
お葬式や結婚式で使うのはふさわしくないとされています。
人生でそう多くはない冠婚葬祭の場面では、
不幸を連想させない言葉づかいがマナーになっています。

今回は、そんな忌み言葉について深掘りしてご紹介いたします。

目次

忌み言葉の歴史

古代の日本では発する言葉に霊が宿っていると信じられており、
縁起の良い言葉は「幸福」を、反対に縁起の悪い言葉は「不幸」や「災い」を呼ぶと考えられていました。現代でも言霊として信じている方も多いのではないでしょうか。

この言霊に加え、西洋や中国などの文化の影響を受け、現在の忌み言葉が確立されてきたと言われています。

忌み言葉ってどんなもの?

忌み言葉とは、不吉なことを招きかねないとされる言葉の総称です。

身近なところで言うと、マンションの部屋番号や駐車場の番号などに、
がつかないことを目にしたことはありませんか?

実はこれも忌み言葉の1つです。
4は「死」を、9は「苦」を連想させるとして、使用を控えているそうです。

このように冠婚葬祭の場面だけではなく、日常でも忌み言葉が存在しています。

ご葬儀の場面で忌み言葉を避けるべき理由

ご葬儀の場面で忌み言葉を避けるべき理由は、不幸を連想させない、
すなわちご家族・ご親族をはじめとする周囲の方を傷つけないようにするためです。

身近な人が亡くなったことが、すでにご家族・ご親族などに悲しみや喪失感を与えています。
そんな気持ちが沈んでいる中では、普段あまり気にならないような些細な言葉であっても、
悲しみの追い討ちになる可能性があります。

「会話をしている時は笑顔だったから、元気になったのかな」と思っても、
悲しみはすぐに癒えるものではありません。
特にお葬式はセンシティブな場ですので、故人様を大切に思われていた周囲の方を
傷つけないよう配慮し、場面ごとにふさわしい言葉を使う必要があります。

そのため、お葬式に参列する時はもちろん、電報を打つ時や弔問の際にも、
忌み言葉を避けるべきとされています。

忌み言葉の種類

お葬式で避けるべき忌み言葉は、大きく分けて以下の3種類がございます。

  • 重なる不幸を連想させる言葉
  • 縁起の悪い言葉
  • 配慮に欠けた言葉

それぞれについて、詳しくご紹介いたします。

1. 重なる不幸を連想させる言葉

忌み言葉の代表例は、「時々」「少々」といった同じような言葉が重なる、重ね言葉です。
普段よく使われる言葉ではありますが、不幸が重なることを連想させるため、
お葬式の場面ではふさわしくありません。

また、「再び」や「もっと」などを不幸が続くことを連想させるため、避けた方が良いでしょう。

以下に忌み言葉とその言い換え例をご紹介いたします。

忌み言葉言い換え例
時々時折
少々少し
わざわざご多用のところ
くれぐれもどうぞ
いろいろ多くの
たまたま偶然
再び改めて
もっと一段と

2. 縁起の悪い言葉

冒頭で4や9はそれぞれ、「死」「苦」を連想させるとお伝えしましたが、
お葬式の場面でもこれらの数字は避けた方が無難です。

数字を使う場面といえば、お香典です。
例えば、お香典を用意する時、4,000円ではなく3,000円や5,000円を包む方が多いようです。

他には、「落ちる」「消える」「浮かばない」「大変」なども
お葬式の場面では縁起が悪いとして避けられています。

3. 配慮に欠けた言葉

生死を表す直接的な表現は、配慮に欠けていると受け取られることがあります。
例えば、「死ぬ」「急死」「生きていた頃」などが挙げられます。

忌み言葉は、周囲の人を傷つけないようにするために避けるべき言葉です。
ダイレクトに死を連想させる表現は使わないようにしましょう。

それぞれ以下のような言葉に言い換えられます。

直接的な表現言い換え例
死ぬ逝去
急死突然のこと
生きていた頃お元気な頃

そのほか気を付けた方が良い言葉

「やばい」「マジで」などの言葉も、
フォーマルなお葬式の場ではふさわしくありません。

ご自身や話し相手にとってはいつも通りの言葉でも、
それを耳にした周囲の方は良い気持ちにならないこともあるでしょう。

このように普段つい口にする言葉が、お葬式の場ではふさわしくないこともあります。
何気なく使ってしまうこともございますので、
お葬式に参列される前にもう一度避けた方が良い言葉を確認することがおすすめです。

宗教によってふさわしくない言葉

お葬式の場面でよく耳にする言葉の中には、
宗教によってはふさわしくない言葉もございます。

例えば、親しかった方が亡くなった時、
喪主様やご家族様に対して、「故人様のご冥福をお祈り申し上げます」と
お声がけすること、ございませんか?
この言葉には、死後の世界での幸せをお祈りいたします、という意味があります。

これは仏教の思想であり、神道やキリスト教といった仏教以外の宗教では用いません。
また仏教の中でも浄土真宗では、死後は浄土に生まれて仏になるとの教えがあります。
浄土とは、仏様のすむ穢れのない世界を指しますので、
死後の世界を表す冥土はふさわしくありません。
このように宗教によってふさわしい言葉とそうでない言葉が存在します。

故人様やご家族様の宗教がはっきり分からない時にお声がけされる際は、
お悔やみ申し上げます」「故人様の平安をお祈りいたします
などと言い換えると良いでしょう。

また、弔電の場合は、故人様の宗旨宗派に関係なく使える表現として、
哀悼の意を表します」を使うことがおすすめです。

冥福の他に、「成仏」「供養」「往生」なども仏教の言葉です。
日本では仏式でのお葬式が多いため、あまり気にされたことがない方も
多くいらっしゃるのではないでしょうか。
これらの言葉も仏教以外では使うことができませんので、
神道やキリスト教のお葬式に参列される際は気をつけましょう。

まとめ

お葬式への参列時や、弔問に伺った際などは、故人様の死を悼み、
悲しみの中にいるご家族の心に寄り添ったお声がけをする必要があります。

普段何気なく使っている言葉でも、悲しみに暮れるご家族やご親族の方などを
傷つけてしまう可能性がございますので、ふさわしい言葉を使い、
余計なご負担をかけないようにしましょう。

また、お葬式は決して楽しい場所ではありません。
ですので、笑い声や大声などで騒がしくしないようにすることも
お葬式に参列する際の大切なマナーです。

悲しい・辛い気持ちの方が周りにいらっしゃることを念頭に置き、
ふさわしい言葉遣い・行動を心がけると良いでしょう。

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