お葬式を行うにあたり、決めること・準備するものはたくさんあります。
このブログではその1つ、返礼品についてご紹介いたします。
お葬式における返礼品って?
返礼品とは、何かをしていただいた・何かものをいただいた時の
お礼としてお渡しするもので、ご葬儀においては香典返しと会葬御礼の2種類があります。
双方には以下のような違いがあります。
お香典をいただいたことに対するお礼のことで、
郵送や代理人を通じてなどご葬儀への参列がなくても、お香典の受け渡しがあれば渡します。
ご葬儀に参列してくださったことに対するお礼のことで、
お香典持参の有無に関わらず、参列者全員に渡します。
例えば、ご葬儀への参列がなく、郵送でお香典をいただいた場合、その方には香典返しを送ります。
また、ご葬儀への参列時にお香典をいただいた場合、その方には香典返しと会葬御礼の両方を渡します。
混同されやすいものですが、このような違いがあります。
続いて、それぞれの返礼品について深掘りしてご紹介いたします。
香典返しのポイント
押さえておきたい香典返しのポイントは3つございます。
1.渡すお品物の金額
2.香典返しを渡すタイミング
3.どこでお品物を用意するのか
1.渡すお品物の金額
お香典をいただいた場合は、きちんとお礼をすることがマナーです。
この時、基本的にいただいた金額の3分の1から半額程度のお品物をお渡しします。これを半返しと呼びます。
例えば1万円のお香典をいただいた場合、3,000円から5,000円程度のお品物をお渡しします。
なお、お香典だけでなくご供花やお供物をいただいた場合も、同様に半額程度のお品物をお渡しすると良いでしょう。
ご親族や故人様と特に親しかった方などから、高額なお香典をいただくこともあると思います。
無理に半返しにこだわると、ご遺族の負担が大きくなることでしょう。
その場合は金額に応じて、3分の1から4分の1程度のお品物をお渡ししても問題ありません。
しかし、ご親族間では高額なお香典でも半額のお品物を渡すことが通例になっているケースもあるようです。のちのトラブルを防ぐためにも、返礼品の金額に失礼がないかご家族でよく相談されると良いでしょう。
お香典の金額が多い・少ないに関わらず、香典返しを辞退された場合を除き、きちんと香典返しを渡しましょう。
2.香典返しを渡すタイミング
香典返しは基本的に、忌明け後に渡すものと言われています。
宗教ごとのタイミングは以下の通りです。
仏教の場合・・・・・・四十九日法要が終わった後
神道の場合・・・・・・五十日祭が終わった後
キリスト教の場合・・・カトリックでは30日目の追悼ミサの後
プロテスタントでは1ヶ月目の召天記念式の後
(キリスト教には香典返しの慣習はありませんが、挨拶を兼ねてお品物を渡します)
通常の香典返しでは、ご葬儀終了後上記の渡すタイミングまでに、
名前やいただいたお香典の金額をリスト化し、その金額ごとに数種類のお品物を用意して
郵送または訪問の手配をとる、という流れに沿って準備します。
法要やお位牌の準備などと並行して香典返しの準備をしなくてはならないため、手間に感じる方も多いと思います。
そんな方におすすめなのが、ご葬儀当日に渡す当日返し(即返し)です。
ご葬儀当日にお香典をいただいた方に引換券を渡し、会葬御礼と合わせて香典返しのお品物を渡します。
近年では家族葬が増えたこともあり、当日返しを用意する方も多くなってきました。
基本的に全ての方へ同じお品物を渡すため、一番多いであろうお香典の金額の半額程度のお品物を用意します。
当日返しのメリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
・通常の香典返しのように金額に合わせ数種類のお品物を用意しなくて済む
・その場で渡せるので郵送や手渡しの手配が不要
<デメリット>
・参列者数が読めない場合は、多めに用意しなくてはならない
・高額なお香典をいただいた際は追加でお品物を用意する必要がある
・人に合わせたお品物を渡したい方には不向き
このように当日返しであると、香典返しの手間や負担が省ける反面、
同じものを数多く用意しなくてはならない点が億劫に感じる方もいらっしゃることでしょう。
ご家族間でよく話し合って決めてください。
3.どこでお品物を用意するのか
香典返しのお品物はどこで手配するのかご存知ですか?
一般的には、返礼品専門の業者か百貨店で手配されることが多いです。
お葬式は事前に参列者の人数がわからないことがほとんどですので、多めに用意し、
使った分だけの支払いができる専門業者がおすすめです。
お菓子の詰め合わせやお茶、カタログギフトなど種類も豊富です。
また、リストを用意すれば郵送の手配もとってくれるので
できるだけ負担を軽減させたい方は、専門業者を利用するのが良いでしょう。
反対にご自身で好きなものを選びたい方には、百貨店などがおすすめです。
「故人様がお元気だった頃に好きだったお菓子」
「故人様が生まれ育った地域の名産品」など
故人様とゆかりのあるお品物は、故人様を偲ぶお葬式の場面にぴったりです。
そのほか故人様や喪主様の会社で制作しているものを用意したり、
家族葬であれば一人ずつ異なる返礼品を用意されたりする方もいらっしゃいます。
基本的に香典返しのお品物は消費できるものが良いとされています。
お茶やタオル、洗剤などの中から喜んでいただけるものを用意していただくのが良いでしょう。
香りの強いものや、派手なデザインのものは好みが分かれることもありますので、
できるだけシンプルなものが良いとされています。
どのようなものが良いか迷った際は、カタログギフトを用意するのもおすすめです。
反対に香典返しのお品物としてふさわしくないものは、
・生鮮食品など日持ちしないもの
・嗜好品(酒やタバコなど)
・現金
・一般的にお祝いのイメージのあるもの(鰹節や昆布など)
などが挙げられます。これらのものを避け、そのほかの消費できるものから選ぶと良いでしょう。
会葬御礼のポイント
続いて押さえておきたい会葬御礼のポイントをご紹介いたします。
1.会葬御礼に含まれるもの
2.会葬御礼の選び方
1.会葬御礼に含まれるもの
会葬御礼は、お通夜や告別式にご参列いただいたことに対するお礼のお品物です。
このお礼のお品物のほか、会葬礼状とお清め塩を同封してお渡しすることが一般的です。
それぞれの役割は以下のとおりです。
会葬礼状とは簡単にまとめると、ご参列いただいたことに対する感謝のお手紙のようなもので、基本的には
宗旨宗派問わず、用意します。また、故人様のお名前や年齢、喪主様のお名前や住所などが入っているので
ご家族・ご親族の場合は、学校・勤務先の忌引き休暇の申請にこの会葬礼状を用いることができます。
前段でご紹介した専門の返礼品業者に会葬御礼も注文する場合は、会葬礼状を作成してくれることが多いです。
お清め塩
お清め塩は、ご葬儀に参列した後ご自宅に入る前に、身体についた穢れを祓うために使用するものです。
ここでいう穢れとは、汚いものではなく「気が枯れる」でケガレと読み、喪失感などを指しています。
宗教や地域の慣習、また個人のお考えによってお清め塩は用いないこともありますが、
会葬礼状に挟んで会葬御礼のお品物と一緒にお渡しすることが一般的です。
お清め塩について詳しく知りたい方は、こちらのブログもご覧ください。
2.会葬御礼の選び方
一般的に会葬御礼のお品物は、500円から1,000円程度のものから選ぶことが良いとされています。
高価なものは、受け取った参列者の方が恐縮してしまうこともありますので、
1,500円以内で収まるものを用意すると良いでしょう。
お品物としては、お茶や海苔、焼き菓子などをお選びいただく方が多いです。
香典返しとは別の意味で渡すものですので、異なるものを選ぶようにしましょう。
購入する場所は香典返しと同様、返礼品専門業者や百貨店などが一般的です。
前段でお伝えしました通り、専門業者であれば会葬礼状も同時に作成してくれますので
できるだけ負担を減らしたい方や、同じところで全て完結させたい方は、
返礼品専門業者に香典返し・会葬御礼共に手配すると良いでしょう。
まとめ
今回はお葬式における返礼品として、香典返しと会葬御礼についてご紹介いたしました。
お葬式では決めることが多くありますが、香典返しの当日返しや会葬御礼は、
ご葬儀当日までにお品物を用意しておく必要があります。
いずれも「これでなければならない」というお品物はございませんので、
できるだけ早めにご家族間でお品物を決めておくと良いでしょう。