新しいお墓のかたち“納骨堂”とは?

故人を偲び、供養する場であるお墓。子供のころは毎年お墓参りに行っていたという方も多いでしょう。しかし、高齢化やライフスタイルの変化によりお墓の形も変わりつつあります。

海に遺骨を撒く“散骨”や“樹木葬”に続き、注目を集めているのが“納骨堂”での永代供養です。納骨堂は全国に増えており、終活を意識している人なら耳にしたことがあるかもしれません。とはいえ、納骨堂とは具体的にどういったものなのかわからないという方もいることでしょう。

そこで、納骨堂と一般的なお墓との違いや費用面、納骨堂と永代供養との関係について解説いたします。

目次

納骨堂とは?普通のお墓との違い

まず、納骨堂とはどういったものなのか、墓石を用いた一般的なお墓との違いについて、お伝えいたします。

納骨堂はお墓の一種

納骨堂とは、故人の遺骨を納めるための施設です。墓石を用いたお墓の場合は遺骨を土に還しますが、納骨堂では骨壺のまま決まったスペースに納めます。そして、普通のお墓は屋外にありますが、納骨堂は屋内にあります。また、納骨堂は施設によって保管方法やお墓参りの手段が異なり、主にロッカー型・仏壇型・位牌型・自動搬送型・墓石型の5種類があります。

住宅で例えると、お墓は一戸建て住宅で納骨堂はマンションのようなイメージです。住みたい場所に合わせて一戸建てを建てるかマンションを購入するかを考えるように、お墓も故人の遺志や遺族のライフタイルに合わせて選ぶ時代になっています。

納骨堂が増えている理由

納骨堂は、元々は一時的に遺骨を預かる場所でした。しかし、現代においては目的が大きく変わってきています。その背景にあるのが少子高齢化や核家族化、生涯独身という方の増加です。また、お墓を管理できる人がいなかったり、子どもや孫の負担軽減を願ったりする方が増えていることもあります。

また、核家族化が進み、都市圏の人口増で墓地の敷地が足りていないのも納骨堂の需要が増えている理由の一つです。

納骨堂を選ぶメリット・デメリット

ここまでは納骨堂が増えた背景を解説してきましたが、利用する側のメリット・デメリットはどこにあるのでしょうか?それぞれ3つ説明します。

メリット1:アクセスが良いのでお墓参りが気軽

納骨堂は都市圏に多く存在しています。駅から近い施設も多く、車がなくても気軽にお墓参りをすることができます。自分たちがお参りしやすい施設を選んで納骨できることが最大のメリットです。お墓が遠方にあるため、なかなかお参りできずにお墓が荒れてしまうということも避けられます。

メリット2:掃除や管理の手間が少ない

納骨堂は建物の中にお墓があります。雨風にさらされる心配がなく、お墓参りに掃除や雑草取りをする必要もありません。手入れを怠ることで周りのお墓に迷惑をかける心配もありません。

メリット3:墓石購入より費用が安い

一般的なお墓では、墓石代・墓地の永代供養代をあわせて最大350万円ほどかかることがあります。しかし、納骨堂は約20万円台から利用することができます。納骨堂のタイプにもよりますが、費用を抑えたい方にはうれしいメリットです。

デメリット1:お参り時にお線香がたけない

納骨堂でのお墓参りは屋内が基本です。火災の危険性があるため、多くの納骨堂では火気厳禁であり、お線香がたけません。そのため、電池式のお線香を用いる必要があります。施設によっては、お線香が使えるエリアが決まっている場合もあるので、施設のルールを確認しましょう。

デメリット2:お参り・納骨スペースに制限がある

施設によって、お参りは共同スペースで行う場合があります。個別にお参りできるとしても、隣にすぐ別の方の遺骨があるので、大人数でお参りするのには向いていません。お盆など込み合う時期は共同スペースで並んだり、他の方への気遣いも必要になります。

また、納骨堂は大人数の遺骨を収蔵する場所ではありません。先祖代々の遺骨をまとめて納めるのは厳しいため、将来的には遺骨を入れるスペースがなくなる可能性があるので注意しましょう。

デメリット3:最終的には合祀される

永代供養を希望する場合を除き、納骨堂は利用期間が決まっています。利用期間が過ぎた場合は、永代供養墓などに合祀されることがほとんどです。合祀後は個別にお参りができなくなるので、必要に応じて他のお墓に移すことなども検討しなければなりません。

納骨堂と永代供養との違いは?

お墓のことを考えるに際して、必ずと言っていいほど出てくる「永代供養」。永代供養とは、遺骨の管理・供養を寺院・霊園などが代行して供養する形です。納骨堂は、遺骨を納める施設であるため、納骨堂が提供するサービスの一環として永代供養が付いている所もあれば、付いていない所もあります。納骨堂の利用を考えている方は、永代供養サービスが付いているかどうかを予め確認するとよいでしょう。

納骨堂を使う際の費用は?種類によって違いはある?

納骨堂にはいくつか種類があり、種類に応じて費用も異なります。

種類

費用

特徴

ロッカー型納骨堂

20万~80万円

遺骨を個別管理でき、思い出の品も入れられる

仏壇型納骨堂

50万~150万円

納骨のスペースと仏壇のスペースがあり、家族代々の遺骨を納められる

自動搬送型納骨堂

80万~150万円

立地が良いことが多い一方、比較的高価

墓石型納骨堂

100万円前後

室内に墓石を立てるスタイルで、値段が高い

位牌型納骨堂

10万~20万円

非常に安価な一方、個別スペースはない

位牌型・ロッカー型は比較的安価な一方、個人で使う想定なのでスペースが少ないことがネックになることもあります。何代にもわたって供養したい場合は、金額は高くなりますが仏壇型の納骨堂を検討するとよいでしょう。

納骨堂の管理費以外にかかるお金

上記の費用は、管理費と永代供養費を含む場合がほとんどです。それ以外に支払いが必要になるのが以下の2つです。

①法要料
納骨時にお経を唱えていただいた場合、お坊さんに支払うお布施です。納骨堂によっては費用に含まれている場合があります。

②戒名料
戒名そのものはあってもなくても問題ないので、必要であれば戒名を付けていただいたお坊さんに支払います。

まとめ

お墓の管理をできるだけ軽くするために、都市圏を中心に広まっている納骨堂。お墓を建てるよりも費用を抑えることができ、気軽にお墓参りができる一方、お線香をたきにくい、最終的に合祀されるといったことがあります。

納骨堂ひとつとっても、種類や立地は千差万別です。終活も兼ねて、遺骨をどのような形で供養されるのが良いか、一度話してみてもよいかもしれません。また、その際に、葬儀のことも一緒にご相談しておくとよいでしょう。多摩中央葬祭独自の会員制度「たまチュウ安心クラブ」では、入会金のみで費用を抑えたご葬儀を執り行うことができます。詳しくはこちらをご覧ください。

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