大切な方の訃報は突然やってくるものです。そのため、遠方だったり、仕事や家庭の都合で、通夜・告別式に参列したいものの、参加できない場合もあるでしょう。そのようなときは、単に参列できない旨を伝えるよりも、弔電等を送って哀悼の意を伝えるようにするとよいでしょう。今はネットで簡単に弔電を手配することができます。
そこで今回は、葬儀の参列を断る際に、ネットで弔電を送るコツについてお伝えします。弔電の内容は、故人を悼むのであれば、ある程度エピソードがこもった弔電を送りたいものです。例文もあわせてご紹介するので、参考にしてください。
なお、お葬式に行けない時の上手な断り方のマナーについて知りたい方は「訃報を受け取ったが、お葬式に行けない 参列を上手に断る方法とは? | 多摩中央葬祭」の記事をご覧ください。
葬儀に参列できない場合は弔電を手配しよう
調整ができない予定が入っている、葬儀が営まれる場所が遠いといった理由で参列を断ることもあるでしょう。葬儀に参列できない場合に哀悼の意を伝える手段は様々ですが、その中でも弔電の手配は手間がかからず、すぐに対応することができます。
ここでは弔電を送る際の注意点をいくつかお伝えします。
弔電はできるだけ早く送ろう
訃報を受け取り、葬儀への参列を断らなければならない場合は、すぐに弔電の手配をしましょう。葬儀会場や葬儀の日程を聞いているのであれば、通夜の前日もしくは当日午前中までに会場に着くように手配します。訃報から葬儀まで期間が空く場合は、到着の日付指定を間違えないように注意しましょう。
もし、葬儀の日程がわからない場合は、ご遺族の自宅(喪家)へ送っても問題ありません。ただし、ご遺族も葬儀やそれ以外の手続きに追われているため、到着時に不在である可能性があります。そのため喪家に送る際は、事前に喪主に連絡しておくとよいでしょう。
これだけは押さえよう!弔電のマナー
弔電を手配する際、注意すべき点が3点あります。スムーズに弔電を送り、ご遺族を労わるためにもチェックしておきましょう。
申し込む前に情報を整理しよう
まず、申し込む前に以下の情報を揃えておきましょう。
- 故人と喪主のフルネーム
- 届け先の郵便番号、住所
- 葬儀の開始日時
- 差出人の情報(氏名、電話番号、メールアドレス)
宗派によって弔電の定型文が変わるので、可能なら葬儀の宗派も聞いておくとよいでしょう。自身と故人との関係性がわかりにくい場合は、所属している会社名など、故人との関係性がわかるものを文面に添えると親切です。
敬称・忌み言葉に注意しよう
弔電に限らず、お悔やみの言葉を伝える際に気を付けるべきポイントは“敬称と忌み言葉”です。「いろいろ」「度々」といった繰り返しを意味する言葉や「終える」「散る」といった縁起の悪い言葉は避けるようにします。
また、故人に対しては敬称を使いますが、故人と受取人との関係によって使い分けてください。敬称の詳細については「お悔やみメールのパターン別〜ビジネス版〜」の記事を参考にしてください。
差出人のふりがなも添えよう
ご遺族が弔電を受け取った際に、誰からの弔電なのかがすぐわかるよう、差出人の記載欄にはふりがなをつけましょう。ふりがなを入れることで、その分料金が足される場合がありますが、慌ただしいご遺族に手間をかけてしまうことがないように対応してください。
また、告別式では弔電の読み上げが行われる場合があります。読み上げに戸惑うことがないようにするためにも、ふりがなは欠かせません。
弔電だけでなく香典も送るべき?
参列を断った際、弔電以外に送るべきか悩むものといえば「香典」です。葬儀に参列しない場合は、故人やご遺族との関係性によって、香典を送るかどうか判断します。故人やご遺族との関係性が深い場合は、弔電と併せて香典も準備しておきましょう。
また、弔電と香典は同時に送るのではなく、まずは弔電を送って哀悼の意を伝えましょう。その後、できれば葬儀・告別式後1週間以内に香典を送ると良いですが、それを過ぎてしまった場合は、葬儀が終わってから1か月以内に届くように準備します。直接渡せない場合は、現金書留で送りましょう。香典を送る際は、弔電とは別にお悔やみのお手紙を添えるようにします。
なお、現金書留ではなく普通郵便で現金を送るのは、郵便法第17条で禁止されています。不祝儀袋に入れた香典を郵便局に持って行って手続きをしてください。
もし弔電の手配が間に合わず、香典のみ送る場合は、必ず遺族に電話で香典のみ送る旨を伝えてください。
弔電の申し込み方法は2種類
昔は弔電の手配といえば電話でしたが、現在はインターネットですぐに弔電を手配することができます。それぞれの特徴を以下にまとめましたので、ご確認ください。
インターネットで申し込む
インターネットでの申し込みは時間を問いません。訃報を受けたら、すぐスマートフォンで手配することができます。
弔電の台紙や文面の仕上がりを画面で確認しながら作成するので、どんなものを送るかイメージしやすいという特徴があります。また、文例を反映した後に自分でアレンジすることができるので、定型文に縛られない弔電も送ることもできます。
また、電話では弔電を手配できる会社が限られますが、インターネットの場合は複数の電報サービス会社から選択することができます。台紙が豊富な会社や文字数と料金が連動しない会社、当日配送が可能な会社など、ご自身の事情に合う会社から手配することが可能です。
インターネットからでも弔電は打てます。
NTT東日本では、D-MAILというサービス名でインターネットからの電報を受け付けています。
ご利用は「NTT東日本では、D-MAILサービス」から。
電話で申し込む
インターネットの場合は、時間や場所を問わずにすぐ手配することができますが、パソコンやスマートフォン操作に慣れていない方には難しいかもしれません。そんな時は、電話でオペレーターと相談しながらすすめるとよいでしょう。
番号は局番なしの「115番」。インターネットと異なり、受付時間が決まっているので注意してください。
アレンジOK!弔電の例文5種
弔電を手配する際に例文をそのまま送ってもよいですが、故人やご遺族との関係性次第ではオリジナリティを持たせても良いでしょう。故人とのエピソードやご遺族への配慮なども盛り込むことで、より気持ちが伝わる弔電になります。
シーン別に例文をご紹介するので、参考にしてください。
例文1:故人が親族の場合
- 例文(故人が祖父の場合)
訃報に接し、悲しい気持ちでいっぱいです。小さいころ遊びに行くと、いつも旬の美味しい野菜を準備してくれたお祖父ちゃんのおかげで、野菜嫌いを克服することができました。お別れは辛く、とても寂しい気持ちですが、感謝とお礼の心でお見送りさせて頂きます。 - 例文(故人が叔母の場合)
ご逝去の報に接し、悲しい思いでいっぱいです。お盆とお正月の年2回しか会えませんでしたが、毎回たくさん遊んでくれて、楽しい思い出を作ってくれました。安らかに永眠されますよう、心からお悔やみ申し上げます。
例文2:故人が職場関係者の場合
- 例文(故人が職場の上司の場合)
ご逝去の報に接し、心からお悔やみ申しあげます。時にはチームを力強くけん引し、時には一人ひとりに寄り添ってくれる方でした。これからご恩返しをしていこうと思っていただけに、残念でなりません。喪主様をはじめ、ご遺族の皆様方におかれましては、お力落としのことと存じますが、どうぞご自愛くださいませ。 - 例文(故人が職場の同僚の場合)
◯◯様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。◯◯様とは仕事以外でも仲良くしており、どんな話もできる親友のような存在でした。ご遺族の皆様のお嘆きを思うと、お慰めの言葉もございません。ご生前の功績を偲びつつ、心よりお祈り申し上げます。
例文3:故人が友人の場合
- 例文
幼なじみの友との別れの報に接し、悲しみでいっぱいです。保育園のころからの長い付き合いで、お互いを尊重できる親友でした。たくさんの思い出をありがとう。ご家族の皆様の悲しみを思うと心が痛みますが、一日も早く立ち直られることをお祈り申し上げます。どうぞ安らかにお眠りください。
例文4:ご遺族が故人との関係を知らない場合
- 例文
◯◯様ご急逝の悲報に接し、驚いております。もっと長生きしていただきたかっただけに本当に残念です。◯◯様とは趣味の車で長年繋がりがあり、何度も一緒にドライブに行った仲です。「今度行くところを電話で決めよう」と話していた中での訃報で、言葉を失っております。皆様もご悲観のあまりお体をこわされませぬようお祈り申し上げます。
ご遺族とは親密な関係ではない場合は、故人との関係性にまつわるお話を入れてみてください。喪主やご遺族の方にもお気持ちが伝わりやすいはずです。
例文5:理由があって参列を断っている場合
- 例文
◯◯先生のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。まだまだ教えていただきたい事がたくさんありましたので、悔やまれてなりません。今までのご恩を思えば最後のお別れにお伺いすべきなのですが、参列が叶わず残念です。皆様のご悲観はいかばかりかと存じますが、どうぞご自愛くださいませ。心よりお祈り申し上げます。
葬儀参列を断った場合は、故人を悼む気持ちと、その場に行けなかったお詫びを添えてみましょう。
まとめ
本来なら、葬儀に参列して直接お別れをお伝えしたいけれど、どうしても行けない…そんな時は弔電を上手に使いましょう。弔電は葬儀当日までに届くように手配し、使う言葉などマナー違反にならないように文面を作りましょう。
インターネットで弔電を手配する場合、仕上がりや文面の確認がしやすくスマートフォンでも簡単に手配することができます。例文に故人とのエピソードを盛り込むなど、故人のお人柄がわかるような弔電を送るとご遺族も喜ばれることでしょう。例文を参考にアレンジしてみてください。
なお、お葬式に行けない時の上手な断り方のマナーについて知りたい方は「訃報を受け取ったが、お葬式に行けない 参列を上手に断る方法とは? | 多摩中央葬祭」の記事をご覧ください。